第123話 ドタバタしながら仲間に加わったミオの力
「~~~~っ! ……ふぅ。アレックス、お主は凄いのじゃ。我の夫になるのじゃ」
「ここに居る全員が俺の妻だが、それでも良ければ」
「もちろん構わんのじゃ。長年生きてきたが、こんなに凄い体験が出来るとは想像も出来なかったのじゃ。我はアレックスの妻になるのじゃ!」
奴隷解放で新たに現れた、狐耳族のミオが妻になると言いながら、俺の上で身体をくねらせ……あ、あれ? 俺は何をしているんだ?
確か、ミオが現れた直後にレイが俺を押し倒してきた後、口移しで何かを飲まされて……って、もしかして、また精力剤を飲まされたのか!?
周囲を見渡すと、女性陣が全員全裸で眠っている。
どういう訳か、ノーラとユーディット、ソフィの姿が見当たらないが、危険を察して逃げてくれたのか?
それなら不幸中の幸いだが……って、誰かが近付いて来た?
「アレックスはん! ごめん! どうやら舞い上がったウチが、また精力剤を飲ませてもーたみたいやねん!」
「あぁ、それは覚えてるよ」
「せやから、ウチが責任を取って、アレックスはんの相手をするから、この二人を解放してあげて欲しいねん!」
全裸のレイが、フィーネとミオを解放してくれって言うが……見れば分かると思うんだけど、俺が押し倒されている側なんだが。
「其の方……ようやく復活したのじゃな。最初から飛ばし過ぎなのじゃ。一先ず今は我の順番だから、暫し待っておくがよいのじゃ」
「レイちゃん、さっきは凄かったねー! 今アレックス様のは私の番だけど、待っている間、手で触ってもらうなんてどう? アレックス様に触ってもらうと、すっごくほわほわーってなって、幸せになれるよねー」
いや、フィーネは何を言っているんだよ。
「というか、そろそろ終わりにしないか? 三人とも、もう十分しただろ」
「えっ!? ウチも……そんなにしてたん!?」
「……レイが一番激しかったけどな。あのモニカが引くくらいだから、相当だと思うぞ」
「えぇっ!? 女性に引かれるくらい……って、ウチは初めてやったのにっ! ……あ、あの。もう終わりなん?」
初めてであんなにも激しく、しかも……いや、思い出すのもやめておこう。
レイの為にも、忘れてあげる方が良さそうだ。
それから、俺と分身がフィーネとミオに出し……宣言通り、一旦終わりを告げる。
しかし、レイが若干寂しそうなんだが……レイはサキュバスの血を引いていたりしないよな?
「アレックスは凄かったのじゃ! 我はお主にもっと早く出逢いたかったのじゃ」
「最初に説明しきれなかったけど、あのスキルは誰を助けるかがランダムで、俺が指定出来る訳ではないからな」
「はっはっは。まぁ仕方ないのじゃ。我としては、あの場から出してもらえた事と、我の初めてをこれ程までに激しくしてくれた事……これだけで十分満足なのじゃ」
「そうか。じゃあ他のメンバーは後で紹介するとして、今更だが改めて宜しくな、ミオ」
「うむ。夫婦になってから自己紹介というのも凄いが、我は狐耳族の長にして、陰陽師というジョブを授かっておるのじゃ」
そう言って、互いに全裸で握手を交わし……うん、我ながら酷い状況だな。
「ところで、ミオに聞きたい事が二つあるんだが」
「何でも聞くのじゃ。アレックスは我の夫。隠し事は無しなのじゃ」
「じゃあ、先ず一つめ。狐耳族の長って言っていたが、ミオはその……何歳なんだ?」
「ふふふ……秘密なのじゃ」
「いや、ついさっき隠し事は無しって言わなかったか?」
「まぁ、子供を産める年齢ではあるから、安心するのじゃ」
レイの薬で正気を失っていたけど、ノーラやニナよりも幼いく見えるミオに、フィーネと同じくらいしていたんだが……ジョブを授かっているから成人だし、長というくらいだから、シェイリーのように見た目が幼いだけだろう。
というか、そうであってくれ。流石に、このままの見た目年齢……十歳くらいに見える、狐耳の生えた銀髪の幼女だと、色々と危険過ぎる。
「では二つめの質問なんだが、陰陽師というのは、どんなジョブなんだ?」
「式神と結界という二つの力を使う事が出来るのじや。前者の式神については、後で実際に見てみた方が早いと思うのじゃ」
「なるほど。では、後で頼む」
「うむ。後者の結界は、この部屋に部外者が入れないようにしたり出来るのじゃ。今も、この部屋に生娘の三人が居らぬのは、我のおかげなのじゃ」
なるほど。この場にノーラとユーディット、ソフィの三人が居ないのはミオのおかげだったのか。
「……って、その三人は今何をしているんだ?」
「さぁ? 我はこの部屋に入れないようにしただけだから、何をしているかまでは分からんのじゃ」
「という事は、あのレイが暴走してからずっと、外で待ってるのか!?」
申し訳ない事をしていると気付き、大急ぎで服を着て部屋から出ると、
「お兄ちゃん! やっと出て来たーっ! 何をしてたのーっ!?」
「アレックスー! どうして、私たちは除け者なのー? 酷いよー!」
「マスター。そろそろ、魔力の供給をお願い致します」
ずっと扉の外で待っていたと思われる三人に囲まれ、ひたすら謝る事になってしまった。
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