第171話 百人越え
「ふふふ……なるほどなのじゃ。このようにして、あの魔法人形たちは増えておったのじゃな。しかし、我の人形は幼過ぎぬか?」
「……実年齢の半分くらいの年齢になるそうだ」
「なるほど。それで、見た目が五歳児程なのじゃな。……まぁ実年齢は良いとして、我とアレックスの子供のようで嬉しいのじゃ」
ネーヴの守備隊を結成するという話から、魔法人形を増やすと言う話になってしまい、昼食を終えてから夕方まで延々と……まぁその、大変な事になってしまった。
ちなみに、ノーラとムギは、魔法人形やゴレイムたちに協力してもらい、先に小屋を作っているのと、ネーヴは早速守備隊に陣形を教えると言って、参加していない。
なので、追加された人形は、リディア、ニナ、モニカ、サクラ、レイ、ミオ、ツバキの各二体ずつと、
「しゅ、守備隊の為なんだからっ! べ、別に私がこういう事が大好き……嫌いじゃないけど……って事ではなくて、あくまで守備隊の為に頑張ったんだからっ!」
エリーだけ人形が五体増えている。
ちなみに、ソフィは参加していたが何故か魔法人形が作成出来なかったのと、フィーネとユーディットは、こっそりメイリンにお願いして人形の作成を止めてもらった。
というのも、フィーネの人形は大変な事になる予感しかしないし、ユーディットの人形が増えると、母親というか祖母にあたるヨハンナさんがまた変なテンションになってしまいそうなので。
ヨハンナさん……というか、天使族はいつこっちへ来るかわからないからな。
それと、
「うむ……魔法解析の良い気分転換となったな。アレックス、また頼むぞ」
魔法人形は作っていないが、フィーネやソフィ並に激しかったシェイリーが、満足そうに勉強部屋……ではなく、社へと戻って行った。
シェイリーは少し離れた西の家で天使族の魔法陣の解析を行っていたはずなのに、何かを察したのか、唐突に寝室へ乱入してきたからな。
「旦那様。これにて、妾たちの子が百人を越えました」
「……す、凄いな。一先ず、家はノーラたちが頑張ってくれているはずだから、明日から急いで畑の拡張を行おうか」
「ちなみに旦那様を除くと、最も多いのはエリーの姿をした子供たちで、十一人。次いで、リディア殿の九人ですね。……旦那様の姿をした子は五十人おりますが」
五十……いや、うん。ノーラ、すまん。手伝うから頑張ろう。
あと、エリーの人形が十一人という話だが、六人の時でもあの攻撃魔法の連打の凄さは、騰蛇と戦った時によく知っているからな。
確かに、守備隊としても活躍してくれそうだ。
「ほう……つまり、エリーとリディアが最も好き者という事なのじゃな。早く我も追いつく為に、沢山アレックスに可愛がってもらうのじゃ」
「ちょ、ちょっと待って。言い方っ! もうちょっと他に言い方があるでしょ」
「そ、そうですっ! 言い直すと……そうですね、私がアレックスさんに最も愛されているという事ですよ」
ミオが余計な一言を言ったが為に、エリーが慌て、リディアが大変な一言を口にしてしまい、
「お待ちください! 旦那様が最も愛してくださっているのは、妾です! ねぇ、旦那様」
「それは聞き捨てならないわねっ! この中で最も長い時間を共にしてきた私よね? アレックス」
「ま、まだ出会ってから日は浅いですが、サクラ姉と併せて二倍愛していただきました。これからも、沢山愛してくださいね、アレックス様」
メイリンが自分が一番だと言った所で、エリーが待ったをかけてきた。
一方で、ツバキは今もサクラに感情を同期させる感覚同期スキルを使用してもらっていたらしい。
今日は人数が物凄く多かったからな。俺が分身しても二人にしかなれないが、これを使えば待っている間にサクラと俺がすれば、ツバキもしてもらっている事になるから……って、そういう話じゃなかったな。
「だ、誰が一番とかじゃなくて良いじゃないか。とりあえず、そろそろ夕食の準備を始める頃だし、ノーラやネーヴたちが作業を終える頃だろうから、一先ず皆で風呂へ言って身体を綺麗に……」
「つまり、そこで第二ラウンドという事なのじゃな?」
「ご主人様っ! 何とか、三人に分身出来ませんかっ!? 待っている間、身体が疼いてしかたありませんっ! とりあえずお風呂で続きを……やはりレイ殿に言って、精力剤を作ってもらうべきだったか」
風呂で続きとかないからっ!
というか、今日はメイリンのスキルで人形を増やす事が目的だからな?
精力剤を飲まされたら、肝心のメイリンが気絶してしまって、人形が増えないんだよ……っていうか、モニカも気を失うだろ?
……ま、まさかモニカは気絶する程でないと満足出来なくなっているとか!? それはそれで怖いんだが。
お風呂では断固拒否して……とはいえ、ニナやユーディットに甘えられながら身体を綺麗にして、ノーラたちの様子を見に行く事にした。
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