第193話 母乳プレイ

 ボルシチが人の姿になった翌朝。慌てたソフィの言葉で起こされる。


「マスター! ど、どうしてですか!? 昨晩、一体何があったというのですか!?」

「ん……ソフィ、おはよう」

「おはようございます。……って、それどころではありませんよ! いつの間にか、私を抱きしめてくださっていたマスターが消え、レイ様と見知らぬ全裸の女性が居るのですがっ!」

「あー、うん。その、実際夜に色々あったんだよ。レイもボルシチもそろそろ起きてくれ」


 昨晩はムギが寝た後、俺のミルクが欲しいと言い出したボルシチに……げふんげふんw

 フィーネとボルシチが激しくて、時々レイも混ざっていたのだが、流石に牛舎でボルシチを寝かす訳にもいかないだろうと、皆でこの部屋へ来て就寝となったんだ。

 まぁ就寝すると言ってからもフィーネはいつも通りだったが、意外だったのはボルシチだ。

 何でも、牛はあまり睡眠が必要無いのだとか。

 なので俺は分身で、


「おぉ、結構溜まっているな」

「だって、貴方が上手なんだもの。私もスッキリするし、凄く良かったわぁ」


 自動行動スキルを使い、ボルシチの乳搾りをする事に。

 床で四つん這いになったボルシチの胸の下にバケツを置き、俺の分身が胸を揉む……もとい、搾る姿はシュールだったが、バケツが満杯になるまで繰り返すという条件指定も出来たし、中々便利なスキルだと分かった。

 一先ず、ボルシチの服は後でツバキに頼むとして、今は俺のシャツを着てもらって、皆の所へ。

 フィーネのスキルで皆を起こしてもらうと、早速リディアにミルクを渡す。


「リディア。昨日、寝る前に絞ったミルクだ。沢山あるから、好きに使ってくれ」

「嬉しい! アレックスさん、ありがとうございます! ……って、寝る前? どうしてそんな時間に?」

「あー、まぁ色々あってな」

「そうですか……って、待ってください! そ、そちらの大きな女性は誰ですかっ!?」


 リディアが俺の後ろに立っている、いろいろと存在感があるボルシチを見て固まる。


「……ぼ、ボルシチだ。昨日あった、色々っていうのが、このボルシチの事なんだが……じ、実は乳牛が獣人になったんだ」

「…………は?」

「なので、実はそのミルクも、このボルシチから搾ったものだ」

「……はぃっ!?」

「いや、レイも言っていたが、牛耳族の母乳はそのまま牛のミルクなんだ。実際、味もミルクそのものだったし、飲んでも問題無いのは確認済みだ」

「へぇー、つまりアレックスさんは、このボルシチさんのおっぱいを飲んだという事ですか」


 あ、あれ? ボルシチのミルクが問題無く料理に使えるって事を言っただけなのに、リディアが物凄いジト目なんだが。


「ま、まぁ確認は必要だし」

「コップで飲まれたのですか? そのまま直接飲まれたのですか?」

「…………ちょ、直接」

「ふーん……アレックスさん。今夜、私のも飲んでくださいね」


 リディアが低い声で耳打ちして、キッチンへ向かって行ったけど、リディアは母乳なんて出ないだろ!?

 近くにノーラが居るので、確認出来なかったけど、出ないよな!? ま、まさか出る様になっている!?

 ……お、落ち着こう。リディアはボルシチに対抗しているだけだ……うん。そうに違いない。

 一先ず、皆でリビングへ移動して行くのだが、


「そ、そんな……私よりも大きいなんてっ! しかも、ミルクが出るっ!? ご主人様が……ご主人様が母乳プレイに目覚めてしまうっ!」

「何の話だよっ! というか、さっきリディアにも説明したけど、ボルシチの母乳は牛のミルクだってば。あと、そもそも母乳プレイって何の事なんだ!?」

「ご主人様。私も……私も母乳を出せるように修行します! ですので、どうか私のも飲んでくださいっ!」


 一人動かずに残っていたモニカが変な事を言ってくる。

 というか、リディアといいモニカといい、どうして同じ事を言ってくるんだよっ!

 かと思えば、リビングへ行ったはずのユーディットが戻って来たのだが、


「あ、あの……ごめんね。私、確認してきたけど、まだおっぱいは出ないみたいなの」


 どこで何をしてきたんだよっ!

 というか、皆どうして俺が母乳好きみたいに思っているんだっ!?

 何度でも声を大にして言うが、ボルシチの母乳は牛のミルクなんだぁぁぁっ!

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