第352話 ジスレーヌから貰っていたスキル
シェイリーたちにも要求され、早くもレイとネーヴが幸せそうな表情を浮かべて気を失い、そこへボルシチが参加してきて……すぐにダウンした。
ビーストキラーという、獣人に対して攻撃力が上がるスキルが俺にあるからなのだが……ボルシチは無理に参加しないようにしてくれ。
気を失った者たちを心配しつつも、シェイリー、フィーネ、テレーゼ、レヴィアという体力がある者たちの相手をしていると、
「あーっ! やっぱり! ご主人様っ! どうして私を呼んでくださらないのですかぁぁぁっ!」
背後からモニカの声が聞こえて来た。
モニカは元兎耳族の村を担当しているはずなのに……って、新たに帰還スキルを得たから、一瞬で行き来出来るんだったな。
「久しぶりのご主人様……私も混ぜてくださーいっ!」
一体どうやったのか、モニカがジャンプと同時に全裸になって、俺の分身の所へ。
暫くは嬉しそうにしていたのだが、
「おぉぉぉっ!? ご、ご主人様っ!? な、何やらとんでもなく凶悪にパワーアップを……ひぃぃぃっ! しゅご……しゅごしゅぎるぅぅぅっ!」
ある時を境に、物凄く大きな声と共にグッタリと倒れてしまった。
テレーゼが淫紋スキルでも使ったのかと思ったが、俺の分身と抱き合い、モニカの大きな声に気付いた様子すらない。
となると、何だ?
「ほほぅ。アレックスよ。まさか、そんなスキルを身につけておったとはな。うぅむ……先程のモニカの様子を見ると、少し怖いが、挑戦してみたくもあるな」
「シェイリー? スキルって言われても、俺は……いや、一つだけ新たに得たスキルがある事はあるが、関係無い気がするんだが」
「いや、間違いないであろう。モニカが気を失い、相手が居なくなったアレックスの分身よ。我の所へ来て、後ろへ……ほぉぉぉぉっ!」
元から俺の分身の相手をしていたシェイリーが、もう一人の分身を呼び、後ろから……あ、ぐったりしたな。
だが、二人の分身は容赦なく……いや、よく見たらニマニマしているから、放っておこうか。
それから、いつもよりシェイリーが早く満足したので分身スキルを解除すると、スキルについて教えてくれる事に。
「うむ。間違いないのだ。我がこの身を持って確信したぞ」
「ん? あぁ、さっきのスキルの話か。確かに俺はディガーという採掘を得意とするジョブの者からスキルをもらったが、どう関係するんだ?」
「うむ。採掘師だけあって、穴を掘る事が得意に……」
よし、聞かなかった事にしよう。
しかし先程フィーネとテレーズも後ろでしていて、いつもと同じ感じだったのだが……まぁこの二人は別格か。
だが、レヴィアもいつも通りだったのは……うん。考えないでおこう。
その一方で、
「アレックスはん! バケツ一杯で足りへんかったな。まさか溢れるとは……まぁこれで沢山ポーションが作れるけどな」
「おにーさーん! これも好きだけど、そろそろお乳を絞ってぇー! 胸が張り過ぎで大変なのぉー!」
レイが満杯になったバケツを見て呆れ、ボルシチが泣きそうな顔で近付いて来る。
「シェイリー、すまん! 後で掃除に来るから、一旦家に戻らせてくれ!」
「まったく……後で、ちゃんと我の所へ来るのだぞ?」
「ご主人様。ここの掃除は私にお任せください。ですので、後でご褒美を……」
モニカが掃除をしてくれるというので、この場を任せると、急いで南の家へ。
新たなバケツを用意すると、ボルシチの乳搾りを始め、
「……アレックス。レヴィアたんのもするー?」
「旦那様ー。私の胸も良いよー!」
「アレックス。ボルシチさんのは仕方ないとして……その二人はどうする気なの?」
レヴィアと、家に居たユーディットが同じ事をして欲しいと言い出し、それを見たエリーにジト目を向けられる。
三人を宥めながらも乳搾りを続け、ようやく終えたのだが、
「……ふぅー。いやー、やっぱり搾ってもらうのは、おにーさんに限るよねー。なんと言っても、搾り方が上手だもの」
ボルシチの不用意な一言で、俺から変な汗が流れ出る。
そして、
「アレックスー! レヴィアたんもーっ!」
「ねー、旦那様ー。私はー?」
「……」
レヴィアとユーディットが抱きついて来て、エリーが無言になり、視線が冷たくなってしまう。
これは、俺は何も悪く無い……悪く無いよな?
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