第676話 ミオの作戦
「ふわぁぁぁっ! こんなの、らめっ……久しぶりなのに、大き過ぎて~~~~っ!」
「ママっ! しゅごいよっ! 知らないっ! こんな感覚、初めてなのーっ!」
「ご主人様っ! もっと……もっとお願いしますぅぅぅっ!」
窓から、羚羊耳族の母娘の声が響き渡る。
モニカの声も混じっているのはさておき、どうしてこうなった。
ちなみにモニカたちは、村の真ん中の広場でザシャの闇を展開し、その中に集まっているらしい。
「パパー。つぎは……んぅ。すぅ……」
「うーん。ウチはおままごとより、走る方が……くぅ」
羚羊耳族の女性から休憩所として借りた家で、ユーリとディアナと待っているように……と、ミオに言われて一緒に遊んでいるうちに、二人とも眠ってしまった。
ミオからは特に説明がなく、何があっても夕方までは分身を解除しないようにと言われたが……目的くらいは説明して欲しかったな。
「ご主人様。ユーリ様もお休みになられましたので、結衣にも……」
そう言って、今までアレの処理をしてくれていた結衣がテーブルの下から出てきた。
そんな中で、家の外から知らない女性の声が聞こえてきた。
「さっきから凄い声と香りがしているけど、何かしら?」
「うーん。この黒いの……とてつもなく怪しいのに、この香りが気になっちゃう」
「わ、私入ってみるね。何となくだけど、入ったら幸せになれそうな気がするもん!」
どうやら、村の女性たちがザシャの闇を気にしているようだ。
しかし、二つ前のサイディ村でも同じ事をしていなかったか?
ただあの時はミオの結界で、中の声が外へ聞こえないようにしていたから、その違いはあるが。
「じゃあ、中へ……あっ! えぇっ!? こ、これは!?」
「一人追加なのじゃ。さぁ、遠慮はいらぬぞ。この巨大なモノを挿れ放題なのじゃ。日頃の欲求不満を解消するがよい」
「わ、私は別に……で、でも、大きい。……じゃ、じゃあ少しだけ。……おほぉぉぉっ! 凄い……凄いのぉぉぉっ!」
どうやら今回は一切結界を張っていないらしく、村の女性が中へ入って俺の分身と……いや、マジで何をしているんだっ!?
それから、どんどん村の女性が集まってきて、自動行動の分身がやらかしまくっているんだが、本当にこれで良いのか!?
様子を見に行こうととも思ったが、眠る二人を置いて行く訳にもいかず……そうだ。分身の一人に視点を変えてみよう。
視点を分身の一人に切り替えると、ザシャの闇が筒状に展開されていて、上は覆われて居ないので、外から中が見えないだけで、中は物凄く明るい。
そんな中で、二十人程の村の女性が次々と俺の分身の元へ。
「つ、次は私……私もしたいっ!」
「は、初めてだけど、皆と一緒なら平気だよねっ! 私の番はまだかなー?」
「……よかった。これで、今まで経験しまくりって友達に言っていたけど、実は一度もした事がなかったっていうのがバレずに済んだわ……って、こんなに凄いのっ!?」
よく見たら、周囲に順番待ちをしている女性が居て……って、偶然だけど、俺が視点を切り替えたのが、ユーリが眠っている家を貸してくれた母親じゃないか。
「あぁぁぁ。は、母から女に戻れた……結婚、結婚してください! アレックスさん!」
「ママ……私もアレックスさんと結婚するのー!」
「そうね。母娘一緒に、アレックスさんに愛してもらいましょう。とりあえず……妹が出来るかもしれないわね」
あの母娘が揃って乱れまくっていたので、何も言わずに視点を戻す事にした。
ミオが何を狙っているのかはわからないが、本当にこれで良いのか?
そんな事を考えながら、俺も眠り……目が覚めた時には、頑張る結衣をミオやシアーシャたちが羨ましそうに見ていた。
「分身も良いが、やはり本物が羨ましいのじゃ」
「結衣さん。小さな身体で頑張りましたの。あとは、私と交代いたしますの」
「ご主人様に頼まれたから、結衣が頑張るの」
いや、二人はいつから居たんだよ。
見てないで結衣を止めるか、俺を起こしてくれよ。
「……ミオがここに居るって事は、もう分身を解除して良いのか?」
「うむ。というか、そろそろ解除しないとまずい事になるのじゃ」
どういう事かはわからないが、後でちゃんとミオに説明してもらおうと思いながら、ひとまず分身を解除した。
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