第782話 万能薬なアレ
「ふむ。ひとまず、モニカがあの魔族を倒した事はわかったのじゃ。だが、お主のその言動……到底納得がいかぬのじゃ!」
「何を言っているのだ、ミオ殿! 私はいつもと何ら変わっていない!」
「いやー、モニカ。それはどうかなー? ニナから見ても、変だよー?」
ミオの言葉にモニカが反論するが、ニナがミオ側につき、ザシャやシアーシャも同意する。
というか、元々のモニカを知っている者からすれば、誰がどう見てもおかしいからな。
「ミオ。私からすると、皆が言う程おかしくは感じないアルが……」
「違うのじゃ! 白虎よ。先程のアレックスのアレを見て、どう思った?」
「え? 凄いと思ったアル。でも、アレが更に大きくなると聞いたから、見てみたいアル」
「そうであろう。普段の乳女であれば、アレックスのアレを見た瞬間飛びつき、しゃぶりつくしておるはずなのじゃ。それが、この有様……当然、おかしいと思うのじゃ」
白虎とミオがメチャクチャ言っているが……いや、モニカに関してはその通りかもしれない。
いつもは抑えるのに苦労するからな。
「ねぇ、お兄さん。レミちゃんに何か薬を作ってもらったらー?」
「なるほど。魔族に身体を乗っ取られた事で、一時的な記憶喪失とかかもしれないしな。一度診てもらうか」
「アレックス殿。私は記憶喪失などではないのだが。あと、診てもらうのであれば、先程から変な事を言っているミオ殿ではないだろうか」
ひとまずニナの意見を採用し、不満そうなモニカを連れてレミとグレイスのところへ。
ちなみに、歩きながら俺が使える治癒魔法を試してみたが、モニカの言動に変化はなかった。
というか、怪我もしていないのに、変な事をするなと怒られてしまった程だ。
「あ、おとーん! 無事で良かったー!」
「アレックス様! 戻って来てくださって、良かったです!」
レミとグレイスが笑顔を見せ、嬉しそうにはしゃいでいる。
だが、無事とは言えないんだよな。
「いや、そうでもないんだ。レミ、モニカの様子がおかしくてな。ちょっと診てもらえないだろうか」
「モニカはんの? それなら、おとんのアレを飲ませたら一発なんちゃう? 濃厚な魔力と凄い生命力が含まれている訳やし、大概の事は治りそうやけど」
「おぉ、確かにその通りなのじゃ! あぁアレックスよ。早く分身するのじゃ! 白虎も期待して良いのじゃ。アレックスのは凄いのじゃ」
レミがとんでもない事を言い出し、ミオが逃がさないと言わんばかりにすぐさましがみ付いて来た。
白虎やザシャたちも何かを期待するように目を輝かせ、レミがグレイスの空間収納からバケツを取り出してもらっている。
「こんな状況で……と言いたいが、モニカを治す為なら仕方がないか。≪分身≫」
「何度も言うが、私は異常ではない……って、アレックス殿! は、裸の分身は消してもらいたい!」
「何を言っておるのじゃ。一番手っ取り早くて良いではないか」
モニカが、分身スキルと同時に発動した複製スキルによって現れた全裸の分身から目を逸らす。
だが、ミオが全裸の分身の一体をモニカの許へ連れて行き……って、既にザシャやグレイスが俺の分身と始めているっ!?
「白虎よ。お主は初めてだから、アレックス本人に相手をしてもらうのじゃ。初めてで分身は、ちと辛いと思うのじゃ」
「よ、よろしくお願いするアル……わぁ、本当だ! 凄い……」
「お、おい。白虎!? 勝手に人のズボンを……」
白虎が臨戦態勢となった俺のアレを見て、目を丸くしているが……いや、無理にしようとしないでくれっ!
「さて、乳女よ。早く口を開けるのじゃ。向こうでザシャやグレイスが楽しんでおるから、お主は待っているだけで良いのじゃ」
「み、ミオ殿っ!? どうしてそんなものを私に……」
「そんなものと言うが、お主の大好物ではないか。ほれほれ、早く口を開けるのじゃ……おっ! そろそろ出そうなのじゃ!」
「や、やめろっ! くっ……か、囲まれているっ!?」
ミオがモニカの正面へ移動している間に、シアーシャとニナが他の分身たちをモニカに近付けていたらしい。
アレの包囲網が出来ており、モニカはどこを向いてもアレが……ちょっと可哀想な気もしてきたが、これもモニカを治す為だ!
「……け、獣の香りが凄いアル。小刻みに震えているけど、そろそろ出るアル?」
「うむ。せっかくなのじゃ。白虎もまずは上から飲んでみるのじゃ。魔力が大きく回復するのじゃ」
「うん! いただくアル!」
白虎が……咥えたっ!?
ミオは何を教えているんだよっ!
「くっ! もう……ダメだっ!」
「アレックス殿のアレが! うぅ……そうだ! ≪転移≫」
「へっ!? うひぃっ! わ、我はかけられるより、上と下で飲む方が好きなのじゃぁぁぁっ!」
モニカの姿が消え、十体の分身に囲まれたミオの顔や髪に……後で、泡魔法で洗い流そうか。
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