第82話 酒で潰れた女性たち

 目の前に、三人の女性が倒れている。

 ちなみに、モニカ、エリー、メイリンだ。

 その一方で、


「おほぉっ! 前は入らなくて残念だったが、後ろもなかなか……良いっ!」


 顔を真っ赤に染め、俺の上に座るシェイリーがいる。

 また、


「アレックス様ぁー! もっと……フィーネにも、もっといっぱいくださいよぉーっ!」


 いつもと変わらないフィーネが、背後から俺に抱きついていた。

 そして少し離れた所で、


「えへへ。お兄さん……ニナの事、幸せにしてね」


 お腹を触りながら、ニナが幸せそうな笑みを浮かべる。


 ……どうしてこうなった。


 思い返せば、最初にモニカが寝た後、シェイリーがサソリや蛇を漬けた酒を飲み、「これは……子作りが活発になりそうだ」なんて言ったのが発端だったな。

 それを聞いたエリーとメイリンも、魔物の酒を飲み、凄い勢いで俺に襲いかかってきたかと思うと、何回かした後で寝てしまった。

 メイリンに至っては、酔っているからか、俺とエリーの人形を作りまくっていたし。

 酒を飲んでいないフィーネは、いつも通り俺を求めてきて、この様子を見ていたニナまでもが、ついに……まぁその、してしまった。


「シェイリー。そろそろ、三人を起こしたいのだが」

「もう少し……もう少しで大きなのが~~~~っ!」


 シェイリーがくてっと俺の胸に寄り掛かって来たので、今なら神聖魔法が使えるだろうか?

 寝てしまった三人に状態異常回復魔法を使おうとしたが、シェイリーによって発動を封じられてしまったからな。


「≪リフレッシュ≫……ダメか」

「ふふふ……まだだ。あと二回……いや、三回はするのだ」

「フィーネもー! フィーネも欲しいですー!」


 ぐったりしているシェイリーによって、状態回復魔法が封じられ、フィーネはフィーネで、背中に胸を押しつけてくる。


「えへへ……お兄さんとの子供……」


 少し離れてニコニコしているニナに癒されつつ、シェイリーとフィーネに四回ずつして……静まった。

 まぁ俺とエリーの人形たちは、未だにし続けているのだが。

 一先ず、人形たちはさておき、俺たちは服を整え、


「≪リフレッシュ≫」


 ようやくモニカたち三人を起こす。


「三人とも、大丈夫か?」

「うーん……あ、あれ? どうしてアレックスは服を着ているのよっ!?」

「いや、そりゃ服くらい着るだろ」

「わ、私はまだ、し足りないんだけどっ!」


 無茶を言うエリーを宥めていると、


「だ、旦那様……確実に旦那様の子を宿すように、あと三回程していただきたいのですが」


 メイリンも便乗してきた。


「いや、メイリンは黒髪の一族の村を見に行くんだろ?」

「あ……そ、それはそれ、これはこれという事で」

「帰ってくるのが、お昼を過ぎてしまうって」


 というか、エリーもメイリンも、寝る前にやる事はやっているんだからな?


「ま、待ってください。ご主人様、私……服すら脱いでないのですが。というか、何もしていないんですけど!」

「そんな事ないって。モニカはいつも通り、後ろで……あれ? それはシェイリーだっけ? まぁとにかく、時間も無いし、着替える手間が省けて良かったじゃないか」

「良くないですよっ! というか、ご主人様の人形はともかく、どうしてエリーさんの人形がこんなに沢山居るんですかっ!? 何回したんですかっ!」

「あー、それはメイリンが酔った勢いで……」

「ご主人様、私にもご慈悲をぉぉぉーっ!」


 本気で涙目になっているモニカの頭を撫でていると、いつの間にかエリーとメイリンが着替えを済ませていた。


「シェイリー。前に教えてもらった、黒髪の一族の村へ行ってくる。悪いが、人形たちを預かっていてくれないか?」

「構わぬぞ。……ほほぉ、子供時代のアレックスか。我と身体の大きさがピッタリではないか」

「シェイリー、まさか……」

「はっはっは。冗談だ、冗談。我の初めては、アレックスの大きなモノで……と決めておるからな」


 そう言いながらも、シェイリーの人形たちを見る目が……だ、大丈夫だよな?

 シェイリーを信じて人形たちを預けると、皆で西へ……黒髪の一族の村へと向かう事に。


「……あれ? そういえば、アレックスは魔物を漬けたお酒を飲んだの?」

「飲んだぞ。シェイリーに見てもらって、新たなスキルを得ている事も出来たんだが……」

「どうしたの? 何だか、微妙な顔だけど」

「あぁ。新たに得たスキルが、その……精力増強スキルだったんだ」

「……アレックス。もしかして、まだ出し足りないんじゃないかしら? 今からどう?」

「いや、魔物が出るだろ。というか、そろそろ村に着くだろ。前にかなりの数の魔物を倒したけど、ちゃんと警戒するように」

「はーい」


 途中でオーク系の魔物を軽く倒しつつ、メイリンに何か関係があるかもしれない、黒髪の一族の村へと到着した。

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