第414話 教会の中の大惨事

 教会へ行って魅了状態を解除してもらいたいが、人が多過ぎて通れない。

 考えた結果、閉鎖スキルを使って向かって来る女性たちの動きを止め……ただ、既に抱きつかれている女性はどうしようもないので、抱きつかれたまま強引に突き進む。


「お兄さん……パワフルなのね」

「凄い……アレも凄そう」

「お兄さんを運ぶのはボクの役目だよー? ボクに乗ってよー!」


 ……って、ジャーダまで抱きついて、俺の歩みを止めようとしてどうするんだよ。

 そんな事を考えながらも、キャサリンに案内され、ようやく目的地に着いた。


「ここよ。お兄さん、早く早くっ! 暗闇の中で……ま、待ちきれないよっ!」

「すまない! プリーストを呼んでもらえないだろうか!」


 教会の扉を開けて大きな声で叫ぶと、一人の女性が走って来てくれた。


「あ、あの。私、ここの教会の者ではないですし、プリーストではなくてアコライトですけど、どうされたのですか?」

「あぁ、見ての通り、この女性たちが魅了状態になってしまっていてな。誰か魅了を解除出来る者を呼んでくれないだろうか」

「魅了……なるほど。ちょっと待っていてくださいね! ……って、グレイス!? どうしたの、グレイスっ!」


 アコライトの女性が再び走って戻ろうとしてくれたところで、グレイスと呼ばれた紫色の髪の少女が近付いて来る。

 何だ? 様子が変だけど……まさか、ここにもマジック・ポーションを飲んだ者が居たのかっ!?


「……エリーさんとフィーネさんは、一緒じゃない?」

「えっ!? どうしてエリーとフィーネの事を知っているんだ!?」

「……二人と子供を作った?」

「エリーのお腹の中には俺の子が居るが、フィーネからは未だそんな話を聞いていない……って、どうしてそんな事まで!?」

「……やっぱり。あの……私もして欲しい。どれだけ凄いのか興味がある」


 えーっと、いきなり抱きついてこないし、グレイスはマジック・ポーションを飲んだ訳ではないのか。

 いやでも、初対面でこんな事を言ってくるくらいだし、魅了(弱)のスキルが効いてしまっているとか?

 というか、エリーやフィーネの知り合いがどうしてこんな所に……って、グレイスという少女を前に、止まってしまったのが悪かった。

 両腕がジャーダや見知らぬ女性たちによって塞がれているから、動きを止めた途端にキャサリンが俺のズボンに手をかける。


「ふふっ、いただきまーす!」

「キャサリン!? こら……あぁぁぁっ! 出すなってば!」

「……凄い。これがエリーさんやフィーネさんに……」


 グレイスが俺のアレを凝視する中でキャサリンが咥えだし、他の女性たちも一斉に群がって来て……プリーストは!? プリーストはまだなのかっ!?


「……うふっ。お兄さん……やっぱり凄いのぉ。次は、こっちへ……」」

「……ッ!? こんなに大きくなる……あっ! そんなに奥まで入るんだ……」

「あーっ! ずるーいっ! ねぇ、お兄さん。あの、分身だっけ? 増えるスキルを使ってよー!」


 キャサリンが自ら俺のを挿れ、グレイスが目を丸くし、ジャーダや他の女性たちが羨ましそうにしながら抱きついてくる。

 プリースト……プリーストをぉぉぉっ! ……って、さっきのアコライトの女性もこっちを見ているだと!?

 じゃあ、誰がプリーストを呼びに行って……誰も行ってないのかっ!?


「くっ! プリーストを……」

「お兄さん! 凄い! その挿れたまま歩くの……しゅごいっ!」

「……なるほど。一歩進む度に女性の顔が……エリーさんたちも、こんな事をされたんだ」


 女性に囲まれ、キャサリンを抱きかかえているものの、プリーストを求めて何とか奥へ進もうと思っているのだが……段々、キャサリンの声が大きくなってきた。

 先程のアコライトとグレイスくらいしか人が居ないのは幸いだが……お! 別の女性が走って来た!

 プリーストとは少し違うが、白を基調とした聖職者っぽい感じの服で、何やら気品のある女性なので、きっと魅了を解除してくれると思ったのだが、


「旦那様っ! お会いしたかったですっ! さぁ、子作り致しましょうっ!」


 ダメだぁぁぁっ! こっちは、絶対にマジック・ポーションを飲んでいる女性だぁぁぁっ!

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