嘘つくなよ

 その問いに、キコリは特に迷いもせずに答える。


「まあ、それならレルヴァを集めるか。アイテム集めるのは大変そうだし……確実でもないしな」

「おや、人の町を襲えば簡単に手に入るかもしれませんのに」

「嘘つくなよ。たぶん人の町じゃ足りてないよ。たぶん人間がこっちに来てるのもそういう理由だろ?」


 そう、あの2人はレルヴァを倒しにこの町に来たわけではない。ならば、この町で役に立つものを探そうとしていた、というところだろう。つまり……人間の町を襲ったところで、得られるのは恨みだけだ。そんな意味のないことをする必要は一切感じられない。

 キコリがルヴを睨んでも、ルヴはどこ吹く風だ。悪びれる様子すらない。


「まあ、いい。他のレルヴァは何処にいるんだ?」

「そうですね。倒されたのでなければ、あと2か所の都市にレルヴァがいるはずです」

「あやふやなんだか具体的なんだか分からないな……」

「そう言われましても、レルヴァ同士で繋がっているわけでもございませんので」


 まあ、確かにそれはそうだろうとキコリも思う。しかし、何かが引っかかる。

 あと2か所とかいう具体的な数字が出てくるということはレルヴァの……というよりはゼルベクトの作戦だったのだろう。となると、それの意味するところは何か?


「あー、首都か。まあ、そうだな。俺様でも首都をまず潰しに行くからな」

「はい、その通りです」


 アイアースの出した答えにルヴはそう頷く。まずは各国の首都を潰す。それは実に理に適う選択肢であったが、そこでキコリは首を傾げてしまう。


「首都の位置を把握してたのか?」

「ええ。それが最後の命令でした」

「バカだなお前はよ。一応この世界も破壊神には勝ってんだよ。その後がこうなだけでな」

「あ、そうか……そうだな」


 しかしそうなると、その2つの都市にレルヴァがいるかどうかは本当に不明だが……まあ、行く価値はある。


「場所は分かるんだろう?」

「勿論でございます」


 ならば問題はない。あとは向かうだけだが……その前にやるべきことがある。

 そう、此処に居るレルヴァたち全てと繋がり、支配下におくことだ。

 そしてどうやら、レルヴァたちもそれを待っていたようで……いつの間にか、たくさんのレルヴァが玉座の間に集まってきてしまっている。


「これは……俺に従ってくれるってことか?」

「ええ。先程の戦いも見ていたようですからね。そして……どうやら、その『レル』が羨ましいようですよ? 一緒に鎧にして差し上げると良いかと。強度が高まります」

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