第893話 ターフルダ侯爵騒動後始末3

洞窟の見張りに残していた者たちと、洞窟の倉庫や近隣屋敷の書棚にあった書類なども含めて領都に≪転移≫で移動して、目付たちとは別れる。


この領都で追加調査を頼んでいたメンバに話を聞くも、先日の魔物一掃以降の魔物に関する問題は発生していないという。魔の森の入り口を焼いたことも、特に住民たちにとっては街道から魔の森への距離が遠ざかったことで安心になったという。素材の採集などは他の森林もあるので、安全には変えられないと概ね文句は無いらしい。

ただ、代官地近くの魔物狩りの利便性を知ってしまった冒険者たちが、冒険の拠点をこのターフルダ侯爵領から代官地に変えようと話しているらしく、この侯爵領での魔物の間引きが継続課題になりそうという。

まぁ領主が変われば領軍による間引きを放置してまでの軍事訓練はしないであろうから様子見することにする。


侯爵領での後始末も一通り終わり、新たに従士団に迎えることになった元帝国軍人の5人、悪魔教団員の11人を代官地で面会する。念のために悪魔教団員にはヴァーヴ侯爵領の辺境の森に行ったことが無い、つまりサラの母ローラやアルベールとリリアナの母の直接の仇で無いことは確認済みである。

「他の従士団員と同様に過去を改めて、ドラセム家の従士団員として働いて貰うからね。今回、無理やり知ろうとしていた魔法習熟についても実体験して貰うけど他に漏らしてはダメと命令しておくね。あとは先輩たちに従って」

元帝国軍人の5人は同じく元帝国軍人であった第1騎士隊としてルーカイ隊長に預ける。元悪魔教団員はティアーヌ団長のもと魔術師団員にするが、ダークエルフ数十人を含めて80人規模になって来たので隊への分割も考えないと、と思う。

いつものように第1騎士隊5人には金属鎧と濃緑マント、魔術師団員には濃青ローブを配布し、戦馬バトルホースの従魔や空の魔石も与えて訓練を開始させる。スクロールや触媒を使った訓練や冒険者登録、王都ダンジョンでの訓練などは先輩に任せる。

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