第642話 代官地都市計画2
方針さえ決まってしまえば、後は力作業である。
最初に整備する南西角の一つ北側のブロックで、その力作業の手順を試すことにした。
まず1㎞四方を簡単な石壁で囲ってしまい作業区画を明確化する。その上で、中の木々を≪泥沼≫で取り除きながら、魔物も殲滅(せんめつ)する。ある程度の木々が除かれた場所ができると再度の≪泥沼≫で平らに整地した上で、取り除いた木々置き場などを作り、それを繰り返すことで平らな土地と木々の山が出来上がる。
その後に≪土壁≫で下水道を整備する穴を掘ったところに≪石壁≫で整備する。
幹線道路など大枠が出来上がってくると建てる家の縄張り、位置決めも分かりやすくなり、それぞれの地面も≪土壁≫≪石壁≫の応用で整備した上に、≪石壁≫を活かして家屋の基本部分を作り上げていく。
巨大な貯水槽も≪石壁≫を活用して出来上がると、港町バッソに転移して海水を膨大に魔法の袋に詰め込んで運び入れ、水精霊シルビーに浄水に変えて貰う。その際に余った主に塩である成分も別に保管し、貴重な資源として活用する。
これらの作業は、主にサラをはじめとするドラセム家魔術師団の面々の魔法により効率化されているが、騎士団の肉体労働的な部分も多分にある。
後は、家屋における窓枠や家具などの木工や、下水道などでも細かい部分は専門の職人が必要であり、王都などからも多くの人を呼ぶことになった。彼らも稼ぎ時であると弟子たちをたくさん連れて育成かねがね来るため、臨時宿舎や食事処などが必要となり、それを見込んだ商人たちが集まってくるという人が人を呼ぶ流れが出来て行った。
彼らも最初は川の西側の街区に住んだり店舗を出したりしていたのだが、2つ目の整備区画である南西角が出来上がるにつれ、そこに移り込むことを希望するようになる。
今まではあくまでも仲間、家臣団のための整備であったので、他者が開拓地に住む場合の管理方法や税の扱いなどについて検討していなかったため、慌てて宰相や官僚に相談することになった。
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