第688話 攻略チーム再編
「サラ様、この後はいかがしますか?そろそろ途中に見かけてお預けになっているダンジョンに潜りたいという者もおりまして」
お酒の勢いもあり、本音で相談をしてくる。
「そうね、最後に残ったヴィリアン侯爵家の領内である山岳部分も殲滅しておきたいけどね」
「確かにその方がやり切った感があるよな。でも、もう領地外からの流入もありえるぐらい領地も角になって来たから、こだわっても仕方ないけどな」
「ま、ここまでで終わっても、当分の間はヴィリアン侯爵家の村々は魔物の襲撃が減るでしょうから、どちらでも良いかと」
ハリーやティアーヌの意見も踏まえて、チームの再編成をする。
冒険者として銅級以下のメンバを中心にした数人のパーティーに分けたダンジョン攻略班と、銀級以上の山岳攻略班である。山岳地帯にはBランク魔物の地龍ドレイクやトロールが居るのが確認されており、銀級以上で臨まないと危険との判断でもある。
ダンジョン攻略班にはできるだけ魔法使いも混ぜながら、1つのダンジョンには複数パーティーが参加することで万が一の場合の危険回避も行う。
サラの冒険パーティーはもちろん山岳地帯の攻略である。ただ、パーティー以外のメンバに山すそから上りながらの狩りを指示しておき、自分たちは≪飛翔≫、ハリーはワイバーンに騎乗して領地の角を先に目指す。先に終着点の魔物レベルを把握するためである。
フェルールからの情報では、この山脈のうち一番手前、北西の頂きが領境の標とのことであるので、そこを目指す。
途中でワイバーンに何度か遭遇するが、既に1頭程度ではサラたちの敵ではないので葬った後に魔法の袋に順次収納していく。
そして山頂にたどり着いた頃に夕方になったので、山頂付近で野営することにした。火山ではないため、火口のように凹んだ大きな場所は無く、先は細く尖った形状である。
西を見下ろすと夕陽が絶景であり、その日の夕食は、その西の絶景に向かって並んで無口に食べる6人であった。
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