第471話 暗殺者ギルド来襲2

尋問結果を説明する衛兵の話では、この暗殺者ギルドは最近勢力をのばしていたらしい。どうも魔女が加わってから急に力をつけたらしく、その魔女の≪魅了≫を繰り返し使用してギルドメンバの統制を行うことで育成や意思統一をしていたのだが、その魔女は昨夜の他ギルドからの襲撃でも逃げ延びた模様とのことであった。

また、複数ある暗殺者ギルド同士は互いに隙を狙っているので、今回サラたちの襲撃に失敗したところを狙われて潰されたと思われるが、タイミングが良すぎるので更なる裏があったのかもしれない、とのことであった。

敵対ギルドも金目のものは奪って行ったが、拠点そのものなど残されたものがあり、実質的に暗殺者ギルドをつぶしたサラたちへの褒賞になるとのこと。それも含めて相談があるので、その拠点に来て欲しいと言われる。


サラは面倒な話になりそうなので、いつものハリーとリリーだけでなく、頼りになるローデット、クリストンも含めた5人で暗殺者ギルドの拠点であった場所に訪れる。

暗殺者ギルドの拠点なのでスラム街にあるのかと思えば、サラたちの屋敷からもそれほど遠くない場所での、それなりに大きな建物であった。


そこには衛兵隊長だけでなく、最近よく利用するミケラルド商会の奴隷商も居た。

「ドラセム様、お世話になっております。犯罪奴隷に関することなので、私もご一緒させていただきます」

とのことである。衛兵隊長から

「ドラセム様の御屋敷を襲撃した20人以外に暗殺者が10人程のギルドでした。拠点に残っていたメンバは、逃げた魔女を除くとすべて他ギルドに殺されました。それで、ドラセム様に生きて捕獲された12人の扱いに困っています」

と言われ、奴隷商からも補足されながら説明を受ける。

12人のほとんどが未成年と思われる。孤児を連れてきて暗殺者に育成することは他のギルドでもしているので年齢に不思議は無いが、≪魅了≫の繰り返し使用により、その魔女への依存心が強くなりすぎているので、犯罪奴隷として奴隷契約をしても通常の引き取り手では扱いに困りそうというのである。

つまり、回復魔法など色々と使えるサラたちに引き取って欲しいというのである。

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