第464話 新年の集い2
王都に帰宅したときがちょうど新年になるときであり、ヴァーヴ伯爵家からの新年の集いの招待状が届いていた。
ローデットが、サラは辺境に帰省していることと、その途中で伯爵には挨拶をしているので、間に合わない場合はご容赦を、の旨をヴァーヴ伯爵家の執事である父にそつなく伝えてくれていたので問題にはなっていない。
ただ、間に合うタイミングで王都に戻っていたので行かないわけにいかず、サラは慌てて、今回もカーヤに献上用の武器を用意して貰う。
ローデットに見繕って貰っていたドレスや装飾品を着用し、貴族用馬車で従士長扱いのハリーと共に伯爵家の屋敷に向かう。馬車の順番待ちの後には受付で高級品武器の献上品を預けて、待合スペースで待機する2人。
2年前に一度経験しているものの、簡単になれることはできない。
ただ前回は、騎士爵へ叙爵の際に先導してくれたゴーチャン・ルメジョン騎士爵しか知り合いが居なかったが、今回は違う。
帝国との戦争の際に、平原側に居た王国軍と、先発隊でロワイヤンの街に入っていた騎兵のほとんどがヴァーヴ伯爵家の寄子やその従士であり、何となく顔が分かる程度の人たちは何人か居た。ただ当時は、回復魔法をかけるなどはあっても、まともに会話もしていないため名前も爵位も分からない。
と思っていると、相手の方から
「ドラセム子爵、ロワイヤンの街ではドラセム隊長の独立部隊にお世話になりました」
などと、次々と挨拶をされて名前と爵位をつげられる。現在の爵位はサラが上位になってしまったからである。
ルメジョン騎士爵とも2年ぶりに会ったが、
「ドラセム子爵、なかなかのご活躍とのこと、おめでとうございます」
とよそよそしく挨拶されてしまう。
伯爵との挨拶も、2年前は最後と割り切っていたら良かったのであるが、法衣とはいえ子爵であり、伯爵に次ぐ爵位であるため、それなりに早い段階での挨拶になった。
「ヴァーヴ卿、新年おめでとうございます」
「おめでとう。先日のサイユ以来であるか。昨年は戦争をきっかけに学生をやめさせてしまって申し訳なかったが、そろそろ成人であるな。仕官の受付や結婚もそろそろ考えるように」
と、言われてしまった。
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