第463話 ティアーヌ帰郷2

翌朝、3人が戻って来ると、ティアーヌからお礼を言われる。

「サラ様、ここまで帰って来させて頂きましてありがとうございました。2人にルーツの村を見せることができました。彼らの母が私以外にも多くの村民に慕われていたことを伝えることができました」

さらに、

「また、オーク退治もありがとうございました。村長がサラ様たち3人も村にご招待するように、とのことです。お運び頂けますか」

という。

サラたちも喜んで招待を受け、ティアーヌの先導でエルフ村に向かう。


途中で変な感じがするところも通ったので、隠蔽か何かの魔法があったのかもしれない。さらに進むとエルフ村に到着する。

家々が大きな木々に絡みつくような作りをしていて、物語などで読んだことがあったが、実際に見ると驚きの連続である。

村長からは、オーク退治、そしてティアーヌ、アルベール、リリアナそれぞれを救ったことに対してお礼を言われるが、サラは今となっては自分たちの仲間でもあるので、気にされないようにと返す。


森を燃やさないようにという意図もあり、エルフの村ではあまり火を使わない。そのため振舞われる食事も野菜や木の実などが中心であった。


サラが魔法に関する知識欲が強いことをティアーヌから先に伝えていたのか、村長たちとは魔法に関する話が中心になる。

その中で、サラが水精霊シルビーによる伝言を使って師匠とやり取りしている話をすると興味津々であった。村を出ることがない村民では思いつかない方法と驚かれた。村長たちも風精霊ジョステルを召喚できるというので、ジョステルを召喚し、同じように伝言をお願いできることを確認し、今後はティアーヌたちがエルフの村のメンバと伝言をやりとりできることになった。


その流れで、サラは土精霊、光精霊、闇精霊の祠の場所に心当たりがないかを聞くが、ほぼ村を出ない村民たちは知らないという結果であった。


何はともあれ遠征の目的を達成したサラたちは、領都サイユを経由して王都に帰ることになった。途中では、火精霊ヨルバの祠にも寄り掃除やお参りを行う。

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