第465話 使用人追加

王都に帰着後すぐに伯爵家への新年挨拶でドタバタしたのも終わり、先送りしていた諸々を片付ける。


まず一番大きかったのが、不在の約2ヶ月でローデットが奴隷を3人追加していたことである。確かに性根と地頭が良い入荷があれば、と指示はしていた。


ローデットから説明を聞くと、最初の2人デュドニとガエルは夫婦であるという。

それぞれ35歳と32歳の2人は、王都で料理店の雇われ店長をしていたが、15歳の一人娘をならず者に暴行されて亡くした。そのならず者へ自分たちが復讐で殺して騒ぎを起こしたことで犯罪奴隷に。生きがいを失っていたが、娘と同世代がたくさんの家である旨を説明し、料理人と家政婦として購入。


もう1人は10歳ほどであるが、体格は成人にも見える男の子アンブリーである。

もっと幼い頃に盗賊に拾われたのか買われたのか、盗賊の拠点で馬の手入れなど雑用をしていたのだが、盗賊が摘発されたときに共に捕まり犯罪奴隷になったが、本人は盗賊行為をしてはいないとのこと。

今回のようにハリーが不在になるときもあるのと、そろそろハリーは御者ではなく従士長らしく騎乗になるべきと、ローデットは言う。そのために彼に馬の手入れや御者をさせればよいと。


ちなみに、ハリーには騎兵のような見栄えの良い、ドラセム家の紋章を左胸につけた金属鎧を着用すべきとのこと。成長期で体格も良くなってきたのだし、魔法袋もあるので今の革鎧と両方を揃えて使い分けるようにと。カーヤは主に武器の鍛冶屋のため、金属鎧は鎧専門の鍛冶屋に発注することになった。

ハリーは馬の色に合わせて黒色の金属鎧とし、左胸の紋章はサラの髪の色でもある銀色にした。


この追加の3人はサラが居ないときに購入だったので、仮にローデットを主人にして、いつもの仲間たちに害になることをしない等の命令だけしていたとのこと。

サラはその3人とローデットと一緒に、奴隷契約の主の変更のために奴隷商に向かうことになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る