第466話 使用人追加2

奴隷契約の主変更の手続きを終えたところで、奴隷商から相談を受ける。

「ご存知のように私が属するミケラルド商会において、60歳になりいったん引退はしたもののずっと仕事人間で家族も居なかったので、暇を持て余して困っている男が居ます。その彼が、ローデット様のことを知り、自分も犯罪奴隷の契約を結ぶので働かせて欲しい、と希望しているのです」

ローデットは事前に知っていたようで

「ドラセム家の商会的なところを任せるには頼りになる方と思います」

と勧めてくる。


了承の旨で返すと、段取り良く、別部屋に居たらしい本人が現れる。

「クリストと申します。無茶なお願いをかなえて頂きましてありがとうございます。精一杯働かせていただきますのでよろしくお願いいたします」

サラは呆れながらも、そのまま奴隷契約の手続きをして、クリストとローデットをつれて、今は副会頭でもあるミケラルド商会の御曹司、モーテオ・ミケラルドにクリストを預かることになった挨拶をしておく。

「クリストの件、よろしくお願いいたします。未成年で、叙爵から子爵まで駆け上がっているドラセム様の番頭、成れるなら私がなりたかったもので」

と冗談と思われる言葉を言われる。


急に4人も追加で増えたドラセム家、隣人カーラも呼んで互いに顔合わせを行うが、今までのように、屋敷の食堂で一緒に食事を取るのは無理である。増えた使用人4人は、従業員棟に部屋を与えて、風呂も食堂も従業員棟に分かれることにした。


また、ローデット、デュドニ、ガエル、アンブリー、クリストンそれぞれに、サラお手製の≪拡張≫の腰袋、ベッドの広さに身長ほどの高さの容量の物を配布しておく。



増えたと思っているサラであるが、ローデットからは、

「最低限の従者の数になりましたが、体面的にはこの倍、使用人を後4~5人、戦闘にも行く従士も後4~5人ほどご検討お願いします」

と言われてしまう。法衣子爵の年金の額から20人ほどと言われてはいたので、素直にうなずくが、犯罪奴隷契約が9人も居るのは普通でないと自覚があるサラは、増やし方に悩むのであった。

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