第251話 王都ダンジョン

仕官や婚姻騒動が落ち着いてから、サラは父から貰った同意書を師匠エミリーに見せ、エミリーからも同意書を貰えるようにお願いする。リリーも両親に魔術学校に行きたいことを改めて説明して、同意書を貰う。

その後は、約1ヶ月かけて再び王都に向かう。今度こそ王都ダンジョンを見てみるためである。


到着してまずは冒険者ギルドで宿の紹介を受ける。侯爵領都やダンジョン都市ワチエでは一泊1銀貨が標準であったが、王都は物価がさらに高く、従魔を泊められる場所が付いているところでは食事無で1銀貨であった。長期滞在時にはゲレの街で試しかけた借家も視野に入れるが、まずは様子見でその紹介された宿に4部屋を頼む。

それから、前回はあいさつ程度にしかならなかった母と師匠の同級生であったカーラに再度会いに行く。今度はまとまった期間、王都に居る予定である旨を伝える。


その日は中途半端な時間になったため、武具屋や魔道具屋を見に行く。さすがに国内一の品揃えであるが、物価も高いことを改めて感じた。カーラの店以外にも魔道具屋では魔導書も含めて品揃えが豊富であり、また専門店に分かれるぐらい店舗も多いので、再度時間をかけてじっくり見てまわろうとなった。




翌朝から王都ダンジョンに向かう。王都の城壁から1時間ほどの乗合馬車でダンジョンには到着する。この乗合馬車は、ダンジョンの魔物を適当に狩らないとあふれて氾濫スタンピードになることを懸念した国家がダンジョン探索を推奨しているために無料とのことである。またダンジョン前には冒険者ギルドが買い取り所や治療所を作る経費にも国家の支援が入っているとの話であった。


事前に確認できた、この王都ダンジョン、ワーズダンジョンは未踏破とのことである。しばらく通っていたワチエダンジョンのように、入口と各階層は転移する仕組みがあり、10階まではEランク、20階まではDランク、30階まではCランク魔物が出るという構造も同じとのことである。ただ、毎回3時間という時間制限があることと、毎回階層の構造が変わるなど色々な違いがあるらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る