第434話 戦後処理2

サラたちは領都サイユにつくとすぐに、街の中心である伯爵の館に、帰還の報告に赴く。忙しい伯爵のことなので、翌日の面会予約になると思っていたのだが、すぐに会うとのことである。

サラと副官扱いのハリーとリリーの3人でヴァーヴ伯爵に面会する。


「サラ・ドラセム、ロワイヤン近隣での帝国戦からただいま帰還いたしました」

「この度の様々な活躍、代官だけでなく他の寄子貴族や応援貴族からも聞いている。我らが領土を無事に取り返し、領民や兵士たちを守り抜いたこと、感謝する。まだ外交処理が終了していないのと、そちの戦果が膨大であることもあり、褒賞の清算が済んでいない。これは一部であると認識して受け取るように」

「ありがとうございます」

と退室する。中身を後で見るとミスリル貨3枚であった。これは金貨300枚ということであるのに、まだ一部と言うことで驚く。


伯爵との面会も終わり、サラたちはエミリーにも声をかけてハリーたちの実家に集まり、食事会にする。両親たちからも無事な帰還を喜ばれる。いくら子供たちが強くなったといっても初めての戦争への出陣であり、エミリーとの水精霊シルビーによる無事と言う伝言も聞いていても、顔を見てようやく安心するのであった。

エミリーの助言もあり、金貨300枚相当の分配は、ハリーとリリーに50枚ずつ、ミーナとアルベールとリリアナの奴隷3人は本人たちからの辞退宣言もあったが5枚ずつは渡し、留守番のカーヤに10枚と決めた。

サラは、師匠作成の魔法の袋のお陰なところが多大にあったので、エミリーに100枚の金貨を渡そうとしたが、弟子が変なことを考えるのではないと叱られた。


翌日、この戦争で多発したことでの魔法習熟度合いなどを師匠エミリーと一緒に確認するため、草原に行く。

サラは必然に迫られて≪飛翔≫を習熟できたのも含めて、各種魔法の習熟による発動時間の短縮と上級魔法の同時発動数が4から5に増加であった。

リリーは≪火槍≫≪回復≫、ミーナは≪回復≫、アルベールとリリアナは、≪氷槍≫≪火槍≫≪回復≫を新たに習得していた。さらに、リリーとアルベールとリリアナは、水精霊シルビーと火精霊ヨルバを≪召喚≫できるようになった。同じ≪召喚≫でも、まだサラほど上級魔法を連発はできるほどではないが、かなりな戦力増強であった。

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