第435話 戦後処理3
草原で戦力増強度合いを師匠エミリーに見て貰った後は、水精霊シルビーの祠に皆で行き、今回の戦争におけるお礼に訪れ、お供えや祠の掃除などを行った。
その夜も皆で食事をした後は、最後のサイユの夜をそれぞれ楽しむ。
サラはエミリーに、今回色々とわかった悪魔教団のことを共有しておく。
翌日からはゲレの街に移動して火山の火精霊ヨルバの祠に行ってのお礼と祠の掃除なども行い、ようやく王都への帰途につく。
王都についたら、ヴァーヴ伯爵家の館で執事に挨拶をしてから自宅に帰り、カーヤと隣家のカーラに帰宅の挨拶をする。
すると、帰宅次第王城に登城するように伝言が届いていたので、慌ててドレスに着替えて貴族用の方の馬車に乗り駆け付ける。
王城でもすぐに謁見するよう指示されて案内される。
「サラ・ドラセム準男爵、この度の帝国軍の撃退における多大なる成果、誠にあっぱれである。そなたのお陰で数千人の兵士の命も救われた。その貢献、著しくかんばしいため、男爵を越えて子爵とする」
「ありがたき幸せに存じます」
「王都に帰還そうそうですまぬが、今度は帝国に向かって欲しい。司令官たちを送り返すのと外交交渉の護衛である。頼むぞ」
「かしこまりました」
謁見室を下がった後、別室で宰相から詳細の指示を受ける。3日後に外交官と捕虜を連れて出発することになるので、急ぎ準備をすること、とのことであった。
その後、官僚から、法衣子爵の年金についての説明をうける。法衣騎士爵が毎年金貨10枚、準男爵が金貨20枚であったが、男爵は50枚、子爵は100枚とのことであった。
騎士爵のとき、金貨10枚つまり銀貨1000枚であり、普通の職人日当が半銀貨から1銀貨であることを踏まえて、2人ほどの従者などを雇用して最低限の体面確保する額との認識であった。子爵はその10倍ということは、かなりの従者などを雇用する体面確保が必要ということであり、サラは戦争以上に頭を悩ませることになる。
とりあえず、自分に何かあったときの承継者である父と兄たちには手紙を送らなくては、とだけは思いついた。
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