第436話 帝国訪問準備

サラは王城を出た後、魔術学校の学校長クレオンダに会いに行く。

無事に戦争は終わったこと、子爵に陞爵したこと、帝国に外交に行くこと等を報告する。

「まず陞爵おめでとう。早くに戦争が終わって無事に戻って来たのは良かったのですが、今度は帝国ですか。帝国への体面もあるからなめられないように子爵なのかもね。それだけの功績もあったことも確かだろうけど、未成年でここまで急な陞爵なのは。学校はもともと名誉卒業生を考えているのだから、気にしないで、気をつけていってらっしゃい」


サラたちは王都に帰還したのに、すぐさまに出立することになってしまった。

少なくともその夜は、カーヤと隣人のカーラを含めてゆっくりと食事をすることにした。王都での3ヶ月ほどは戦争の話もあり、魔法回復薬や武具という色々な商材が売れて、留守番のカーヤが作成する以外の在庫が切れて残念がられていたらしい。カーヤは火精霊ヨルバを≪召喚≫できるようになり、ますます高級品でも上位の武器を製作できるようになってきたとのことである。

サラたちも約3ヶ月にあった諸々と子爵への陞爵を共有する。その上で、今度は帝国に向かうのに同行するメンバを相談するが、今回もカーヤだけ留守番をすることになった。

カーラにはエミリーからの手紙を渡してある。


3日後の出発までにできることとして、3ヶ月前と同様に生産などに励む。

サラはカーラのところに溜まっていた呪いの物品を≪鑑定≫した上で≪解呪≫を行う。今回膨大な武具の≪鑑定≫を行って習熟を深めたこともあり、カーラが≪高級鑑定≫を教えてくれる。これは≪鑑定≫では素材と大雑把な製法しか分からなかったのが、詳細な製法までわかるものであり、これによりようやくサラにも他人が作成した羊皮紙で上級魔法のスクロールが作成できるようになる。また、スクロール以外の恒久的な付与魔法にも手を付けられるようになる。

カーラはエミリーの手紙で、悪魔教団の情報も共有されており、その本拠地である帝国にサラを送ることに不安があるため、できることは色々としてあげたいのだが、時間が無いためこのくらいしかできない、と思いながらの≪高級鑑定≫の指導であった。恒久的な付与についての魔導書も渡しておく。


サラは特級魔法回復薬、上級スクロール、ミーナたちは中級と初級のスクロール、リリーは皮革製品などをそれぞれ生産し、ミケラルド商会などに納品もしながら、サラは≪高級鑑定≫の練習として様々な商品を鑑定させて貰う。

ミーナはハリーたちの付き添いのもとスラム街への差し入れもする。

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