第759話 ドラゴン討伐

ガーライト王国の国王たちは地上に残したまま、ハリーはワイバーンに騎乗して、それ以外は≪飛翔≫してドラゴンを探す。ドラゴンは巨体であるものの、山自体も巨大であるので単純に見渡しても見つけることはできない。

今までの家畜をエサにするタイミングが朝夕の2回と聞いており、その「朝食」に向かって飛び立つのを見つけるつもりで、早朝から準備をしている。


計画通り、夜明けから少ししたぐらいで、村民たちが家畜小屋から家畜を草原に放牧した時間帯を見計らってか、ドラゴンがふもとに飛び立っていくのを発見する。

見える範囲であり、ドラゴンの近くまで≪転移≫することで、サラはドラゴンと対峙する。


もともと巨体であり、どの程度が老齢のドラゴンなのか検討がつくほど経験がないサラは、単純に話しかけて返事があるかで知性の高さを確認しながら、可能な限りの≪召喚≫をしていくことにした。

「ドラゴンよ、これ以上の家畜を食するのはやめて貰えないか?エサが欲しければ、これをやろう」

適当に魔法の袋に入れていたオークの死体を取り出し放り投げると、ドラゴンはその死体を大きな口で受け取るが、進行を止める気配もない。


≪結界≫で身を守ったまま進行方向の正面に立ちふさがり邪魔をすると、ドラゴンは飛行したまま鋭い爪の足で四面体の≪結界≫を払いのけようとしてくる。≪結界≫のお陰で実被害は無いが想像以上の衝撃であった。


「こいつの魂は俺に寄こせよ」

悪魔ストラデルが要求して来ながら≪石化≫を発動している。もちろん、単純にドラゴンに効果があるわけでないが、ドラゴンは進行をとめてサラたちを殲滅してから牧場に向かうことにしたようである。

サラは、水精霊シルビー、火精霊ヨルバ、風精霊ジョステル、土精霊ペクトーン、光精霊メスメレン、天使マルカルロを≪召喚≫しただけでなく、悪魔もストラデル以外にアエグルン、フールカン、アゼルソン、セパルを≪召喚≫している。相手がドラゴンであり、余力を残すわけにいかないので、全力対応である。

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