第760話 ドラゴン討伐2

ドラゴンは巨大な翼があるが、その翼をはばたいて飛行しているわけではないのが見てわかる。かといってグラインダーのように固定翼で滑空しているわけでもないのは、自由な場所で停止や飛行再開ができていることからわかる。つまり、魔力で飛んでいるわけで、何らかの風魔法が関与していると想定される。まず風精霊ジョステルにはドラゴンの飛行の邪魔をするように命じる。

最近は仲間たちも精霊を召喚できるので、例えばジョステル自体も複数召喚されているのが普通であったが、今回はサラが1対1での討伐が必須ということで、ジョステルも一体のみであるので、いろいろとできることが限られる。


ドラゴンが巨体であるので、右の翼には≪霧氷≫、左の翼には≪爆炎≫など異なる属性であっても狙い場所を変えることにより、全員が何らかの攻撃魔法を使用できるのだが、あまり効果を発揮しているようには見えない。

それどころか、ワイバーンよりも強力そうに見える炎のブレスをまき散らすので、≪結界≫だけでは不安なため、≪飛翔≫で逃げ回る必要もある。


飛ばない魔物であれば、サラが1対1である制約であってもゴーレムを使役する案もあるが、それは愚痴にしかならない。現状では死霊魔法の≪死霊≫でレイスを生成して攻撃に参加させる程度である。



遠くから戦況を見ているハリーたちは

「うぉ!あぶねぇ!」

「サラ様、回避して!」

等の応援はできても、手出しはできない。横に、目を見張らせているガーライト王国国王たちが居るからである。

しかし、その国王アルミーノにしてみると、サラが多くの精霊や悪魔たちを≪召喚≫した上に、レイスなどを使役しているのを見て言葉を無くしている。

『これが銀龍か。こんな小娘に俺自身が1対1で負けるつもりも無いが、戦争なりで敵対すると勝てそうにないな・・・。知らずに敵対してしまったレーベルク帝国が負けるのも当然だな』

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