第761話 ドラゴン討伐3

さすがにドラゴンといえ、多くの精霊たちから強力な属性魔法の攻撃を受けながら、悪魔たちからも≪呪詛≫や≪石化≫を受け続けていると、強力な魔法防御や強靭な鱗を超えるダメージが少しずつ蓄積されていく。

胴体などと違って薄い翼の飛膜は破れが目立ち、飛行する力もだんだんと失っていく。


やぶれかぶれで爪を出した前足を振り回したり、太い尻尾を振り回したり、凶悪な牙の大きな口で噛みつこうとしたりしても、自由自在に飛び回っているサラや精霊たちには回避されてしまう。

体力や魔力を使うブレスも避けられるだけでなく、だんだんと弱まって行くと≪結界≫で防御されるようになってしまった。


このままでは討伐されるのを待つだけになってしまうと危機感を覚えたドラゴンは、遠くに飛んで逃げてしまおうとするが、既にお見通しであったので、≪結界≫や≪氷壁≫などで逃げ道を防がれてしまう。

いよいよ焦ったドラゴンは、見学していたハリーや国王たちを攻撃しようと急降下してみるが、そこでも≪結界≫や≪氷壁≫で食い止められる。

サラにしてみると、ハリーの巨大にした炎の魔剣や、国王の何らかの魔剣にとどめをさされてしまうと、支援条件が未達になるので手出しをされたくない。ドラゴン以上に焦りを感じての防壁であった。


その上で、降下したのに合わせて地面に抑えつけるように多くの≪壁≫系魔法で覆われてしまう。

ドラゴンは最後と覚悟をしたところで、サラが国王アルミーノに話しかける。

「これにて条件達成でよろしいでしょうか」

「ほう、この後はどうするつもりなのかな。ドラゴンを1対1で討伐できる力は確認できたから達成で良いが」

「この子、言葉は話さないですが、どうも言葉は理解しているようなので、従魔にならないか聞いてみたいと思いまして」

「ドラゴンの従魔とは聞いたことが無いが、その非常識なところも銀龍なのか?」

「私は、自分のあだ名を銀龍と認めたことはありませんが・・・」

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