第762話 従魔ドラゴン
「で、きみは言葉を理解できているよね?このまま死ぬまで戦うか、私に従うかどうする?」
「言うことを聞く・・・」
「あら、言葉も話せるのね」
「少しだけ」
「なら大人しくしておいてよ」
サラは回復魔法でドラゴンを治癒した上で、抑えつけていた≪壁≫などを取り消す。
「おい、俺への魂の奉納はどうなるんだ?」
「また別のをあげるわよ」
「最近、俺の成長に見合うだけの奉納が少ないぞ」
「わかったって」
魔剣ストラデルの文句は聞き流しつつ、残りの≪召喚≫も解除していく。
そして合流した国王アルミーノやハリーたちを王都ムリンに送りつつ、巨体のドラゴンは混乱を招くからいったんはここに置いて行こうとしたが、アルミーノが王城の広場に連れてくるように言うので、そのまま≪転移≫することにした。
アルミーノは、王都の広場にドラゴン征伐のために集めていた将兵たちに向かって叫ぶ。
「どうだ、このドラゴン。これが討伐予定だった奴だ。しかし、ここにいるコルマノン王国のサラ・ドラセム伯爵が1対1で力の差を見せつけて従魔にした。単に殺したドラゴンスレイヤーより難易度の高いドラゴンテイマーだ」
「「うぉー!」」
軍勢から歓声が沸き上がったのを、右手を挙げて抑える。
「そのドラセム卿が、アルメルス神国との休戦と、神国へ侵攻している魔物たちへの対抗勢力への合流を進めて来た。実際に神国の教皇も頭を下げて来た。どうだ、偉そうにしていた神国の奴らに俺たちの力を見せるため、今から神国に行かねぇか?」
「「おぉー!行くぞー!!見返してやる!」」
じゃあ後は頼むな、とサラに丸投げしてくる。
「では、少々お待ちを」
と、神国の首都ダラムに前触れのために≪転移≫し、広場を確保して貰ってから、ガーライト王国の将兵たちを送り込む。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます