第446話 停戦交渉3
翌朝に再開された停戦交渉。
「卑怯なことをしたのは帝国側であり、王国側がそれを跳ね返したことはご理解いただけましたかな?」
と切り出した王国外交官のモンブリー伯爵とタンプ子爵。
「停戦交渉に訪れた代官たちを交渉決裂後に襲った、それを跳ね返したという話までは理解しました。しかし、領民に対する圧政に対する解放のために兵を出した帝国が悪いわけではありません」
「それは繰り返し伺いましたが、具体的な圧政の証拠はありますか?またたとえそれが事実だったとしても、圧政を行っている代官等を処罰するのは王国側の行うことであり、武力で内政干渉することではありません」
「・・・」
「また、その開放するとおっしゃった領民を悪魔教団の生贄にするために略奪に走った帝国軍にそのことを大義名分にする資格はありません」
「・・・」
返す言葉が無い帝国外交官たち。また、今日も同席している元司令官と副官も事実であるので発言する内容が無い。本当は武力で蹴散らして言うことを聞かせようとしていたのに、その武力でやられてしまったのである。
「さらに、ヴァーヴ伯爵領への侵略と同時に、魔術学校の対抗戦の際にも帝国の代表と騎士が賊騒ぎを起こされていますね」
「それは別のお話では・・・」
「否定はできないですよね?」
「・・・」
「それこそ内政干渉になるので、これ以上は言いませんが、悪魔教団とは間を開けられた方がよろしいかと存じます」
「・・・」
最終的に、損害賠償は十分な金額が設定された上で、停戦協定が結ばれることになり、外交団の目的は達成されることになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます