第447話 外交団帰宅準備

目的を達成した外交団は、1日だけの帝都での自由行動時間を取ってから帰路につくことになった。

ただし、王国側メンバとバレたときには、恨みによる襲撃なども懸念されるため、最低5人以上で行動することが義務付けられた。


サラたちはサラが仮面をつけたままの6人で、魔道具店や武具店を見てまわる。さすがに鑑定魔法でトラブルを起こしたくないので、鑑定魔法習熟の際に身についた魔法抜きの鑑定能力だけで確認するにとどめている。

さすがに武が盛んな帝国の都であり、王都よりも商材が豊富であるが、一見(いちげん)さんで良い物を見せてくれるところは少なかった。特に武具屋は職人気質が高いのかその傾向が高かった。カーヤが同行していれば話も弾んだのかもしれないが。

一方、魔道具店ではサラたち皆が魔道具を所持していることもあり、期待されたのか色々と見せてくれる。サラはどちらかというと魔道具よりも魔導書が見たかったのであるが、良い物は師匠と弟子の間でのやり取りが多いらしく、基本的な物しかなかった。


ただ、≪魔法増強≫という、魔法発動体に埋め込む魔法陣が記載された魔導書を見つけ購入する。これで、サラも自身で魔法発動体を作成する練習がしやすくなる。サラ自身は成長する魔剣ストラデルがあるが、他のメンバの発動体は初期のままの物も多いのと、サラ自身もカモフラージュの際の指輪の発動体も強力な物にすることができるかもしれない。


その他には、薬草や薬瓶、そして≪拡張≫の練習用に腰袋と背負袋を買い込んでおく。

ハリーはしばらく狩りが出来ていないことから、従魔たちに与える美味しそうな肉などを購入する。ミーナやリリーたちは、帝国土産らしい非実用的な飾りなどを購入していた。

あとは王国では珍しい食材を、腐る可能性があるものはサラの時間停止の魔法の袋に、それ以外のものは普通の魔法袋に大量に購入しておく。



久しぶりに買い物を満喫した6人は宿舎に戻り、翌日からの帰路に備えて部屋の清掃などを行うのであった。


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