第448話 外交団帰路
往路と違い捕虜も居ないため、それだけ馬車の数も少なく、また気をつかうことも少なく、さらには難しい外交交渉の目的を達成したので気も楽になって、帰路についた外交団メンバ。
一応見送りにも騎士がついてくれて、帝国内も無事に通り過ぎたときにお別れになる。
そのあと少ししてロワイヤンの街につき、代官親子やここから追加になった護衛達とは別れることになる。晩餐の場において、再度代官に結婚の話を切り出されたが躱(かわ)しておく。
それからしばらくしてヴァーヴ伯爵領都であるサイユにつき、ヴァーヴ伯爵に交渉結果の報告を正使、副使と一緒に行う。
外交官たちにすると交渉を大幅に前進させたサラに手柄をとられた形になるのが好ましくなく、結果のみの報告であったが、伯爵はもちろん経緯を認識しているため、個別で呼ばれる。
「今回も活躍だったと聞いている。今回、王国としてもかなりの捕虜身代金と賠償金を得られたので、大部分がこの伯爵領にまわってくるであろう。もちろん被害者たちへの見舞いや復興支援に当てるつもりであるが、活躍した者たちにも報いるつもりである。期待しておいてよいぞ」
との言葉を貰う。
サイユでの休憩時には、またハリーたちの実家と、師匠エミリーのところに分かれて宿泊し、色々と経緯などの話をする。帝都遠征中にあったミーナ、アルベール、リリアナの誕生日祝いと、もうすぐあるハリーの成人の誕生日祝いもハリーの実家で行う。
ハリーはこのままサラたちと冒険者などを続けると両親に宣言する。
サラはエミリーに少し進んだ≪拡張≫の魔法習熟の出来も指導して貰う。
ここでも魔道具店や武具店を見てまわるが、やはりそれほどめぼしいものは無いままであった。
それから王都にたどり着いたのは、9月も終わりの頃であった。
すぐに王城に交渉結果の報告に伺う。もともと早馬で速報は届いているはずであるが、詳細及び本人たちからの報告ということになる。
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