第956話 リザードマン氾濫解決2

サラ達は帝都で魔物氾濫の解決を報告した後は、宰相へも報告するために王都に向かう。

「さすがドラセム卿、本当に早いな」

「いえ、それほどでも」

「しっかり帝国に恩を売れたであろう。良くやった。また早くも領軍をうまく指導しているようだな」

「まだまだこれからです」

「ところで、そなたたちのワイバーンは卵から育てて従魔にしたのだったな。王国としても帝国に負けずにワイバーンの従魔を増やしたいのだが、何か方法は無いかな」

「卵から育てた我々では・・・」

「魔物使い達にも聞いてみるか」


宰相ジョエリーはサラたちを見送った後につぶやく。

「ドラセム卿の力をそぐために、領地を与えて金銭消費をさせるつもりの者にとっては失敗だったな。領軍まで練度を上げるなど、足かせではなく翼を与えたようなものだったな」


ようやく侯爵領に戻ったサラたちは、今回の遠征で活躍した者たちに特別賞を与えたところ、街に配属していた者たちから領都勤務だけ経験も積めて褒賞までというのは羨ましいと不満が聞こえてきた。

「以前のターフルダ侯爵時代では、領都と街の配属決定は出身地を基本としながらも、知り合い優先などあまり基準はなかったようです」

「転居ができない年老いた親の面倒を見ているという家庭の事情などが無いならば、一定期間でローテーションも考えようか。昇進もそのタイミングだとちょうど良いか」

「昇進には個人戦闘力だけでなく戦略などの知識や指揮力も必要になりますので、ぜひ訓練項目に追加しましょう」


冒険者依頼ではあったが、領軍の訓練や運営の見直しには良い機会になったと振り返る。

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