第772話 反撃開始
ロージアン南西から神国への魔物侵入を食い止めたため、後は神国内にいる魔物の殲滅が最初の目標になる。それが終われば、辺境側にも反撃をすることで、これ以上の侵攻を諦めさせるつもりである。
まずの神国内の魔物の殲滅に対して、首都ダラムで軍議が行われる。
「まず、決戦後にドラセム卿に行って頂いた状況の共有をお願いします」
「はい。ロージアン南西の城壁をいったん通行不可にしました。その上で、ロージアンからダラムの間に居る魔物の軍勢をある程度減らしました」
「「おぉ」」
「それは殲滅したという意味では無いのですよね。では、統率を失った魔物たちが分散して残っていると理解すれば良いのでしょうか」
「はい、私の従士たちでは数が少ないので、点在する魔物を殲滅するところまで行っていません」
「逆に、それは我々多国籍軍の仕事であろう。もともと村々への救援、避難誘導していたのと同様である」
「ドラセム卿ばかりに手柄を取られるわけにはいかない。一般住民、村落を守る軍隊の運用方法をご覧あれ!」
サラたちはロージアン南西に築いた城壁を守るのと、魔物が散っている全体を飛び回って、少しかたまっているところへの攻撃など各国の軍勢への支援を行うことになった。
ダラムに近い村々から順次村民を戻らせることも並行しているため、魔物に荒らされた建物の復旧のための物資や食料などもそれらの村落に運搬することも並行して行っている。すべてがサラによる≪転移≫ではなく、他者に比べると膨大な収納能力がある魔法の袋を持つ仲間たちが≪飛翔≫による高速移動も組み合わせて効率化を行っている。
そこまで段取りが進むと、後は時間の問題であった。被害が全く無というわけにはいかないが、今回の騒動の前からも神国内に点在した魔物による被害は無かったわけでない。魔物の軍勢が侵攻してきた事実に比べると圧倒的に少ない被害で、神国南西部の村々も順次日常を取り戻していくことができた。
それに伴い、各国の軍勢は最も南西である辺境都市ロージアン周辺に自然と集まってくることになった。
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