第773話 反撃開始2
辺境都市ロージアンで集まった各国の軍勢の司令官たちが集まり軍議を行う。
「アルメルス神国の領土を解放するという一次目標はこれでほぼ達成と言って良いでしょう」
「はい、皆様方のお陰です。残りは神国の者による巡回だけで対処可能です。誠にありがとうございました」
「この後について、皆様のご意向をご相談させてください」
「ここで終了として各国に引き上げるか、城壁を越えて辺境に攻め入るか、ですかな」
「仰る通りです。魔物たちも、ある意味で自分たちの国、辺境国と呼ばせて頂きますが、辺境国に攻め入られると死に物狂いで抵抗してくるでしょう。今まで以上に強力な魔物たちが出てくる可能性や、見知らぬ土地での罠を含めた苦労もあるでしょう。また、遠征が長期化していることによる将兵の疲労もあります。一方で、ここで辺境国に再起不能な損害を与える機会でもあると考えます」
「神国の罪のない国民を守ると目的は既に達成したので、ここで終了でも良いのでは?」
「いえ、国民を守る意味ではもう少し損害を与えておかないといつまた侵攻してくるか分からないのでは?」
「そうは言っても、これ以上はこちらの損害も多くなる恐れが・・・」
今まで議論を邪魔していた神国幹部も居ないのでまともに議論は進むが、どちらが正解でも無いため、議論は紛糾する。しばらく平行線の議論があった後、様子を見るだけであったサラに対して発言を求められてしまう。
「今回の立役者であるドラセム卿はいかがお考えでしょうか?」
「今回の発端であり、先導していたダークエルフたちを抑えておかないと再発する可能性があるかと。言葉も通じるダークエルフと折衝するのはいかがでしょうか」
「魔物と会話するというのか?」
「いや、確かにダークエルフが居なければここまでの“戦争”にならずに、単なる魔物の“氾濫(スタンピード)”でおさまっていたと推測されるので、一理あるかと」
「それにダークエルフを単なる魔物と決めつけるのも、過去の経緯を踏まえると・・・」
「ではそのダークエルフはどこにいるのかな?」
「辺境国のどこかの森に集落があるのではないでしょうか」
「辺境国に侵攻しないとダメということか・・・」
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