第774話 反撃開始3

ダークエルフを何とかすることで将来の禍根を残さないことに合意はされたものの、まずはダークエルフを探す必要がある。


「そもそもダークエルフはどこに居たんだ?ロージアン取り囲みのとき、ダラム攻城のときには居たのを見たけど、普段には全然見なかったよなぁ」

「量的な戦いのときにはオークたちに任せて、魔法が必要な決戦のときだけ現れていたのかな」

「ずるいことしているなぁ」

「きっと、私たちエルフと一緒で種族としての数が少ないのだと思います。森に隠れて住んでいるのかと」

「ま、とりあえず辺境国の森を探しに行くということか」


ハリーやティアーヌたちとも意識を合わせたサラたちは、石壁で封じていたロージアン南西の城壁を、各国の軍勢が通れるように、元々の城門があった付近だけ取り除くのであった。

ドラゴンのドンが占拠していたこともあり、その城壁から辺境国までの山間に残る魔物の軍勢は居ない。そのまま山間を抜けて辺境国側に開けるところまで人類共同戦線の軍勢が進む。

「アルメルス神国の方々は、この辺境国まで侵出したこともあると伺いましたが、地図などは残っていないのでしょうか?」

「お恥ずかしながらそれは大昔の話で、ずっとロージアン付近で防衛をするのでいっぱいいっぱいでしたので・・・」

「しかたありませんね。では、大まかな地図作成から取り掛かることにしましょう」


とは言うものの、多くの魔物が生息する辺境において地上を順次進みながら地図作成をするのは、いくら人手があっても足らないどころか、将兵の損耗が激しいと誰でもわかる。自然と視線がサラに集まることになる。

「かしこまりました。上空からある程度の偵察を行い、地図作成も行ってまいります」


辺境国入口での陣地設営を各国の軍勢が行っている間に、サラたちがドラゴンやワイバーン、もしくは≪飛翔≫による上空偵察をすることになった。

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