第164話 魔導具ツルハシ

翌朝から、大雑把な地図作成をしながら進むことにした4人。それでも11階以降では東西もしくは南北それぞれは端から端まで直線で歩いても1日かかる大きさの階層であり、なかなか終わりが見えない。

「なぁ、地図を買いに戻らないか?」

「まだ地図は売られてないでしょ。私たちと1日違う程度では」

「この階層の大きさならばちゃんとした地図をつくるには15日~20日ぐらいかかるかも。特殊な魔法とかあれば別だけど、正攻法だと」

「11階~20階の坑道タイプだと大体そんな感じかな、いつも」

草原や森林のように斜めに踏破可能なエリアでない場合、ダンジョン改変の後に1階層、地図を買って1~2階層が1ヶ月に進める数と覚悟する。早くCランク魔物がでる21階以降に行きたい3人は現実を知り、がっかりする。


最大でも2~3泊ぐらいしかしたことが無かったサラたち3人は、一度宿に戻ることにした。もちろん地図作成ができていない場所を狙いながら入口の方向に戻る経路を選ぶ。

それだけでも1泊が必要であったが、出口にたどり着く。約4日捜索したが、地図作成できたのは3割にも満たない。後半は進むことを優先したため、少しだけ確認した領域量が多い。


冒険者ギルドで地図の販売を確認するも、やはりあと10日ほどはかかるのではないかと言われ、サラたちの作成部分だけでも買取をして貰えた。

サラたちの魔法の袋は空間を広げられるが、時間は進むため野菜などの生ものの長期保存ができない。そのためハリーはオーク肉のみでも長期間の野営に耐えられるように調味料等をたくさん仕入れに市場に行く。

その間にリリーは矢などの消耗品の購入に、カーヤとサラは魔道具屋に入手したツルハシの鑑定に行く。魔道具屋での鑑定結果は≪頑丈≫であった。サラは≪頑丈≫の魔法陣をメモしておく。

ツルハシはある意味消耗品であるのだが、このツルハシは簡単には壊れないという採掘士にはなかなか有用なものである。


カーヤはこれならばザグナルをやめようと、父に言い中級バトルアックスを貰っていた。自身の鍛冶レベルはまだ初級レベルであるためである。さらにツルハシとバトルアックスを両方持つことも踏まえて、両親に家宝の魔法の背負袋、10倍の広さを借りることにした。

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