第165話 武技ドワーフ
サラたち4人は、準備を整えて再度13階の坑道に挑戦することにした。今度は野営が長期にわたっても良いように準備をしている。
最初の部屋の後は、またできるだけ地図作成ができていないエリアを通りながら魔物の数が増えたと思える場所を探すため、階層を広め広めに歩くようにする。
遭遇したホブゴブリンやオークを倒して進み、カーヤが見つけた採掘場所では新しいツルハシで鉄鉱石を掘り起こして進む。
昼休憩になったときに、リリーはカーヤに聞く。
「ねぇ、武技を使わないけどどうして?」
「え?使えないだけよ。魔力操作がわからなくて。ドワーフでは珍しくないわよ」
「えー、そうなんだ。サラ、ちょっと手伝って」
と頼まれたサラが、≪治癒≫の延長でカーヤの中の魔力操作を試してみる。
「何これ、これが魔力操作!?」
「次はそれを自力で操作してみて。ハリーでも出来たんだから」
「あ、なんか動く」
と、カーヤは魔力操作のイメージをつかめた。
「それを武器に流し込んで≪斬撃≫にしたり、そのまま≪肉体強化≫に使ったりするのよ」
早速、カーヤは手から斧に流し込むイメージの後に、斧を振ってみる。また、全身に魔力をめぐらせての強化もイメージができているようである。
「後は実戦で試してみて」
と、カーヤは両手斧の≪斬撃≫と体術の≪肉体強化≫を習得した模様である。
リリーはついでにサラにも≪肉体強化≫の習得をさせておく。サラは魔力操作が上手いため習得そのものは直ぐにできたが、≪回避≫も習得した後に習熟まで使い込んではいないため、≪肉体強化≫も習熟できるかは疑問であるが。
カーヤは採掘のときのツルハシにも応用が効くと喜んで、その後の戦闘で積極的に武技を利用して習熟していくことになる。それを見たサラは、Cランク魔物の魔石、使用後の無色透明になったものをカーヤに渡して、夜とかにこれに魔力を貯める訓練をするように、指導する。
以降は、カーヤの前でもハリーとリリーは魔力を貯める訓練を再開するのであった。
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