第270話 服仕立て
魔道具屋めぐりの帰りに、サラはカーラに高級そうな服屋に連れて行かれる。一般庶民は古着屋で服を選ぶにもかかわらず、である。
「前回の謁見のときには服装の準備不足を許されたかもしれないけど、ちゃんとした服を持たないとダメなのよ。まがりなりにも貴族なんだから」
「まだ成長するから仕立てるのは勿体ないよ」
「勿体なくても、貴族らしい見栄えのための貴族年金でもあるのよ」
と押し切られ、しかたなく金貨をかけて良い素材で仕立てる。
ただ、体型が変わっても使いまわせるように、貫頭衣をオシャレにしたようなイメージで、あちこちを紐ベルトで調節できるような白色ベースのドレスにした。
サラの銀髪にあうように、縫込み模様を銀糸ベースにしたため高級感もあり、最低限の貴族の面子を保てる程度のものにはなる見込みである。
1週間以降の出来上がりと言われて、お金は前払いして引換券だけ受け取る。ここでの名前はサラ・ドラセムと家名も含めたやり取りになる。
受け取りまでのまとまった時間があることと、カーヤの新しい武器の慣れのために、また魔の森のダンジョン攻略に旅立つ。今回のダンジョンでは、ダンジョンコアも残っていなく特段の魔道具も入手できずに10日ほどで王都に戻って来た。
カーヤの誕生日も間にあり、サラの時間停止の収納にあらかじめ入れておいた食材による、野営にしては豪勢な食事でお祝いをした。
王都に戻ってからは、ハリーとカーヤは自宅で小鍛冶をするという。今回の攻略でも亜人魔物から入手した通常武器や、前回のダンジョンの大鍛冶で精製した鉄も使って鍛冶の訓練である。カーヤは魔斧を入手するのにかかったお金を取り返すためにも、鍛冶屋を開くための鍛冶中級への意欲が高い。ハリーはそれに付き合っている感じである。ハリーは伸び悩み、自分の方向性を試行錯誤しているようである。
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