第374話 住居追加2
元の店舗兼住宅と屋敷は道路を挟んだ斜め向かいであり、ほぼ同一敷地のような使い方が出来るため、色々な設置の分配も再検討することになった。
具体的には、店舗兼住宅には、鍛冶設備、皮革作業場、新たに調達する一般馬車の車体を。
屋敷には、貴族用の馬車の車体、馬小屋、ロック鳥ガンのための鳥小屋、広い屋敷内に祠群、広い裏庭に薬草畑を移設、表側の庭には来客者の停車場所、来客の応接や泊まれる客室も屋敷側に。また、皆がそろっての食事は屋敷の食堂で、お風呂も大きい屋敷側にサラが熱湯を用意することになった。
元住民の老婦人たちが退去するまでの間は、伯爵領都に行って約2ヶ月の留守に溜まった作業をそれぞれ片付けておく。
生産をするサラ・リリー・ミーナは、魔法回復薬、皮革製品、スクロールなどを作成し、ミケラルド商会など卸先への納品にも行く。サラは納品ついでに、2ヶ月間で納品先の店舗の商品入れ替えもあったのことから、≪鑑定≫もたくさん練習をする。リリーは溜まっていた修繕依頼への対応も行い、ハリーとミーナは鉄鉱石を採掘して来て、サラが精製してカーヤに渡す。
売主の老婦人たちが退去した後に、追加購入したものの搬入を含めて引っ越し作業をしたが、魔法の袋があるおかげなのと、敷地がほぼ目の前であることからそれほどの苦労にはならずに済んだ。
大きなものの移動の際には、≪筋力向上≫魔法も地味に効果があった。
ハーフエルフと奴隷商人に言われていたアルベールとリリアナの兄妹は、育てられた行商人がそれほど裕福では無く、魔法の袋などの魔道具や魔法を実際に見る機会が無かったので興味津々であった。
その頃には十分に休養を取って、奴隷商人に雑に扱われていた時の体調も回復していたので、改めて2人の今後を相談することにした。
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