第373話 住居追加

アルベール・リリアナの兄妹に何をして貰うかを皆で相談する。

その前に、本人たちに何ができるかを確認すると、行商人に育てられていたので、識字や計算は店員レベルにはできることが分かった。


まずは家で食事と睡眠をしっかり取って体調回復をして貰うことにし、その間は店員になって貰うことにした。

その後は、皆と同じように冒険者登録をして戦えるようになりたいかも、本人たちが落ち着いてから相談することになった。



もう一つの問題として、住居の問題である。2人増えたので7人が同居することになる。ある程度大きい家なのでまだあふれるほどでは無いが、鍛冶や皮革など異なる生産をしているので場所が取られていて、これを機に考えることにする。


困ったときの隣人カーラであり、また相談させて貰うことにした。

「そうねぇ、私が引退するときには私の敷地を売ってあげても良いけど、まだ当分は無理かな。反対のお隣さんの店舗も売り上げが順調みたいだし。近所に聞いてみてあげる」

と請け負ってくれる。


翌日、久しぶりの魔術学校から帰って来たサラとリリーに、カーラは話しかけてくる。

「商店街側ではなくて、馬車とか出入りする裏口側で売ってくれるという人が居たわよ。あなた達の裏口の対面ではないけど、その隣。うちの裏口の対面」

「え、あの人の良いお爺さんお婆さんの大きなお家ですよね、そこ」

「そうなの。商売は引退して隠居していたのだけど、年も年だから子供たちの家に引っ越す機会を考えていたんだって」

屋敷と言っても良い二世帯家族が住めるほどの大きなお家で、庭もあるし、馬小屋も馬車をしまう建屋もあるのに、カーラ経由で伝えられた値段は、最近のサラたちの売上を踏まえると十分に払える額であり、即決となった。


悩ましいのが分かれ方であったが、しばらくはアルベール・リリアナ兄妹の面倒をミーナがみるので3人は一緒に、カーヤは鍛冶場の近くを希望、リリーも皮革作業のため店舗側を希望、ハリーは従魔たちの世話のために広い敷地の方を希望、サラは貴族としての来客対応を踏まえると新しい家となった。その結果、サラ・ハリー・ミーナ・アルベール・リリアナは屋敷、リリーとカーヤは店舗兼住宅に分かれることになった。

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