第372話 アルベール兄妹


2人にも経緯を説明して奴隷契約の変更手続きを終え、強盗達に関する報奨金や装備を貰いつつ、馬車も子供たちを連れて帰るためにそのまま貰って行く。


家につくと、留守番をしていたカーヤ、隣家のカーラにまとめて事情を説明した後は、まず2人をお風呂に入れて軽い食事をさせてから、しっかりと睡眠をとらせる。

その間に、戦利品である装備、馬も含めた馬車、馬車にあった荷物などは面倒なのでまとめてミケラルド商会に売却しにハリーとリリーが向かう。ミーナは2人の着替えなどを古着屋に買いに行く。サラは魔術学校に、自主休学を終える手続きをリリーのも含めて2人分しに行く。出かけたついでに、火精霊ヨルバのための祠も購入してくる。2人が起きたときのためにカーヤが横についておく。


夕方になりそれぞれが用事を終わらせて戻って来たころ、2人も起きてくる。

ハリーが温かくて食べやすい食事を用意して、皆で食事を取ることにした。


しっかり者のリリーから

「まずは自己紹介からね」

とカーラも含めて皆に名前などの自己紹介をするように促す。その後、2人の名前と年齢も聞く。

「俺はアルベール。双子の妹のリリアナと一緒に、捨て子だったのを拾われたので、正確な誕生日は分からないけど、9歳か10歳ぐらいと思う」

「私はリリアナ。私たちを拾って育ててくれた行商人はもう居ないので、どうぞよろしくお願いいたします」

「じゃあ、出会った今日、6月1日を2人の誕生日ということにして、お祝いしましょう」

とリリーが言い、皆もそれが良いねと食事を促す。

奴隷になったはずなのに、風呂もベッドも今のテーブルにつくのも含めて扱いが良く分からないで戸惑うアルベール・リリアナ兄妹。横からミーナが「おいおいわかるけど、こんな感じよ」とフォローする。


サラは、自分とそのパーティー仲間、親しい人たちが害を被ることはないように、またサラの特殊な魔法などを他に漏らさないように、だけは守るように「命令」としてお願いしておく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る