第335話 魔法習得方式2
翌日、登校したサラはガリレード先生に呼ばれ、学校長クレオンダも含めた先生たちがいる会議室に案内された。
ガリレード先生からサラへの問いが始まる。
「サラさん、率直に伺いますが、昨日の魔法習得方法は誰かに教わったものですか」
「いえ、パーティーメンバ等を指導しているうちにわかったもので、師匠からも教わっていません」
「その方法で他に教えた相手はいますか」
「パーティーメンバと、フェルール様のパーティー、昨日のフェルール様を含めた3人と先生だけです」
というやり取りの後、先生たちが話し合い、
「今後、それ以上は我々への相談なく広めないでください」
「え?それは困ります。自分の仲間が増えたときなど、普通に実施する予定です」
「うーん、それは分かりますが。ただ、従来になかった効率的な習得方法なのです。国家として管理すべき軍事情報レベルなのです」
「冒険者ギルドや魔術師ギルドは国家とは独立では無いのですか」
「もちろんその建前もありますが、魔術学校など国家の支援も大きく完全な独立とは言えないのです。仲間には使用してよい、他国関係者には広めない、の真ん中の線引きは別途相談ですね」
「魔法発動にはイメージが大事というのは周知の話であり、特に新しいことをした方法では無いですよね、そんなにおおごとなのですか」
「1,000人に1人しか魔法使いが居ないと言われる世の中で、魔法の習得方法は一部の特権階級のものとなりがちで、あまり情報交換もされずに秘匿されやすい知識分野なのよ。残念ながら」
と、クレオンダが答える。
そこに、王城からの使いという者が会議室に入って来て
「騎士爵サラ・ドラセム、本日昼過ぎに学校長クレオンダと共に登城することを命ずる」
という通達をして行く。
「サラさん、家に戻り着替えて、再びここに来て頂戴。一人ぐらいは連れて来て良いと思うわ」
とクレオンダに指示される。
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