第336話 登城
サラは既に授業を受けていなかったが、残りの授業も当然参加せずにリリーへの伝言だけお願いして急ぎ家に戻る。
一番登城に問題なさそうなのは鎧と剣のハリーと考えて、家にいた皆に経緯を話して、ハリーに一番まともな格好をするように言い、自身も昨年しつらえたドレスに着替える。もちろん、念のために2人とも≪洗浄≫魔法はしておく。
その間にミーナに呼んで来て貰った馬車に乗り、再度学校の会議室に戻る。
そこでは学校長なだけあって、登城に問題ないであろう正装をしていたクレオンダが待っていた。そのまま、クレオンダが用意した立派な馬車に2人とも乗り込んで王城に移動する。
サラとハリーは2度目の登城であり、どこに行くのかもわかっていないので、クレオンダに
「魔法習得方法を他に広めないという話を官僚と話に行くのですよね」
と聞くが
「行けば分かるわよ」
と教えて貰えない。
応接室みたいなところで食事が用意されてあり、職員にしばらく待つように言われ、食べられていなかった昼食をあまり喉に入らないながらに取ることにした。
食事もとりしばらくたった頃、移動ください、という案内があり、クレオンダが先導して移動する。
途中から絨毯が敷かれているエリアになり、前回と同じ予感がしていると、とうとう大きな扉の前にたどり着き、そこでクレオンダが立ち止まる。
中から声がかかって扉が開き、ハリーは入口すぐで待つように指示されたので、クレオンダに促されてサラだけが前に進む。
そしてクレオンダの跪いたのに合わせて、その少し後ろで跪く。
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