第334話 魔法習得方式

なかなか31階のボスエリアに行けずに苦労しているなか、魔術学校の実技訓練ではサラは≪光爆≫と≪夜霧≫がある程度習熟出来て、別の魔導書を借りようと考えていた。

同じくリリーも≪夜目≫≪砂生成≫≪治癒≫が最低限出来るように習得できたため、実技訓練の最低限の目標をクリアしていた。

そのため、フェルールやその取り巻きのディアリスとアリアンヌに、サラはさておきリリーの急な習得の秘訣を問われてしまった。


サラは授業の方針などもあるかと思い、担任のガリレード先生に質問する。

「スクロールや触媒を使った習得支援で効率的にしないのは何故でしょうか」

ガリレード先生は、何のことか分からない風に

「何のことですか」

と答えるので、自分の仲間での事例を含めて質問の意図を伝えるが、

「そんな理論は認識していません。他の先生にも確認します」

とその日は終わりになった。翌日、

「他の先生にも確認しましたが、認識していると答えた方は居ません。一度試させてください」

と、フェルール、ディアリス、アリアンヌを実験台にすることになった。


サラはパーティーメンバにしたように、まず自分での実演を見せながら、スクロールで実体験をさせて、触媒による属性変換部分の支援をさせることで、3人が未習得の属性魔法の習得を支援した。結果、向き不向きもあるのであろうが、ほとんどの属性を追加習得できた。

一度似たことをサラに教わっていたフェルールよりも、ディアリスやアリアンヌは

「サラ様、ありがとうございます!魔法の家庭教師にお支払いしていた金額の何倍も払う価値がありますわ」

「本当です。あの長く非効率な訓練の時間がもったいないです」

と感謝と驚きを示すが、ガリレード先生はもっとであった。

「こんな効率的な習得方法があったなんて、他国に対する優位性確保にも国家秘密として情報管理と報告をしなければ・・・」

とブツブツ言っていた。

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