第755話 ガーライト王国援軍要請

今までの国と違い、ガーライト王国での王城への伝手が何もないサラは、教皇を神国から連れて来ても、途方に暮れる。

「きっと大丈夫ですよ。この国は現国王が立ち上げた新興国ということで、手続きはかなり簡略であると思いますよ」

教皇に言われるまま、王城の城門にて、今までのように神国の教皇と、コルマノン王国の宰相、自分とハリーとティアーヌで、国王への面会を申し込む。


「予約も無い国王への面会希望とのことですが、どちら様でしょうか?」

問われるまま正直にそれぞれの立場を答えると、当然に疑いの目で見られるが、万が一本物であったときに責任を取れないためであろう、いったんは厳重な見張り付きの部屋に案内されることになった。

そこに慌てて走って来たのであろう、汗だくのガーライト王国の外交専門の貴族が入室してくる。

「教皇猊下、本当だったのですね。どうやって・・・。いえ、それより国王への面会とのこと、しばらくお待ちください」

外交使節として神国首都で面識があったことから、教皇の本人証明がされたことにより、国王への面会が段取りされることになった。当日の申し込みで調整ができるということは、国の機動力がうかがわれる結果である。


さすがに国家元首同士が会談ということで、謁見室ではなく質素ではありつつも整った部屋に案内され、着座しているとすぐに国王と思われる人物が入ってくる。

「私が、ガーライト王国のアルミーノ・ドルフィオ・ガーライトである。アルメルス神国の教皇が戦時下に足を運ばれたというのはどういうことであるかな?」

国王になったと言っても元冒険者であるアルミーノは、余計な飾りのないストレートな物言いで話し始める。またこの口ぶりでは、並行してミケラルド商会に運ばせていた書状は到着していないのであろう。

「はい、アルメルス神国教皇のアルヴィス・ライアレン・アルメルスです。今までのことへの謝罪と休戦、そして支援のお願いに伺いました」

「はぁ?」

今までの神国の対応、態度とあまりに違う発言により疑問はいっぱいであるが、アルミーノはまずは話を聞くと答える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る