第885話 大悪魔

「我を召喚したのはお前だな?何用だ?」

「あいつらを殲滅してくれ!今まで捧げた魂の分だけ働くのだ・・・」

言うだけ言って黒ローブは倒れこむ。

「ほぉ。なかなか美味しそうな魂を持った者たちだな」


「気をつけろ。以前の石像の悪魔ほどではないが、かなり力があるぞ」

姿は消しているが召喚したままであった悪魔ストラデルから助言がある。悪魔教団の本拠地での巨大悪魔は魔神の域かもと思えるほど大変であったことが思い出される。

「またいったいどれだけの命を奪ったというの!?」

サラ達が怒りを覚えて、先ほどの広間以上に精霊や悪魔を追加で≪召喚≫しつつ、

「ハリー、人質たちをお願い」

と、魔法より体術が得意な者たちに救助を依頼する。


「ほぉ、なかなかな素質の者たちのようだな。しかし悪魔たちもたくさんいるが、我ほどではないな」

「そんなことを言って足元がおろそかになっているわよ!」

召喚者である黒ローブの意識を刈り取るため≪雷撃≫を打ち込むがピクリともしない。

「ははは、召喚者は既に死んでいるぞ。我はもう奴と関係なくここに出現しているのだ。あぁ、召喚者の意識を無くして魔界に帰らせようと思ったのか。残念だったな」


「これはまずいわね。シルビー、王都や代官地で残っている魔術師団員や第3騎士隊員など魔法を使えるメンバに大至急集まるように伝言をお願い!ドラゴンのドンやワイバーンのワンも!」

「サラ様、ここでは狭いのであの天井から外に連れ出しましょう!」

≪飛翔≫ができないハリーたちには人質、生贄予備軍だった者たちの避難を継続させて魔術師団員は≪石壁≫魔法などを駆使しながら大悪魔を隔離して、小山の上空に誘い出す。

「ほぉ、我を外に出したいのか。乗ってやろう。我の力を見せつけるのにここは狭いからな」


上空に飛び出した大悪魔に対して数多くの魔法を浴びせているので、周囲を囲んでいた目付たちと従士団員には明らかに強敵に対して戦っていることを認識でき、外で待機になっていた魔術師団員は自身が契約している精霊たちを≪召喚≫しつつ魔法攻撃に参加する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る