第196話 銅級確認

翌朝も、神殿に寄り、カーヤの実家で合流した後に、ダンジョン前で貴族パーティーと合流する。


「今日からは21階のためCランク魔物になり、本来は銅級冒険者の階層になります。まずは、フェルール様を含めた鉄級の皆様が銅級相当かを確認させて頂いて良いでしょうか」

というハリーからの相談にセドリックは頷く。

19階のボス部屋では、見習いを含めた騎士3人の実力をみられていなかったため、

「では申し訳ありませんが、皆様の実力を確認させて頂くため、本日は騎士の皆様も戦闘をお願いします」

と言い、20階の魔物、白猿ホワイトエイプとの戦闘を貴族パーティー4人にさせてみる。


森林エリアであり四方八方から白猿がくるエリアであり、隊列はフェルールを囲むように金属鎧3人が、前にセドリック、後ろの左右にジルベールとランベールとしている。

ハリーたちは万が一の時に駆け付けられる程度の距離で、サラを中心にハリーが前、カーヤが後ろにつく。その状態で、リリーは弓矢で白猿を釣りに行く。


まずは白猿3匹を貴族パーティーの正面に当ててみる。

セドリックが盾≪挑発≫で敵を集めている間に、残り3人が攻撃をしているが、攻撃力不足でありなかなか倒しきることができない。セドリックは3匹相手に防御一方であり、フェルールは≪火球≫のみで攻撃力が弱く、ジルベールとランベールも武技≪斬撃≫は使用しているが、≪連撃≫はランベールのみ、≪剛撃≫はどちらも使用していない。

前衛3人、特にセドリックが怪我をしてもフェルールの≪治癒≫では追いつかない。さらに回復魔法の間は攻撃魔法の手が止まるため、ますます悪循環になる。

白猿1匹を倒した後も劣勢のままであり、ハリーたちは加勢に入り残り2匹を倒し、サラとフェルールが≪治癒≫で治す。


「ご認識されたと思いますが、正直に申し上げて攻撃力不足ですね。おそらく今のままでは銅級認定を貰えないと思います」

とハリーは丁寧ながらもはっきりと伝える。

そして「今度は我々が」と言って、4匹を釣ってきて対応するが、それぞれの武技や魔法を使用することで、ハリーとカーヤが少し怪我をしたぐらいで殲滅する。カーヤも鉄級ではあり武技も初級の≪斬撃≫≪肉体強化≫だけではあるが、ハリーたちのパーティーに入ってからの戦闘経験による成長か、白猿に対しても同等以上に対応できていた。

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