第195話 神霊魔法

知識・魔法の女神ミネルバの神殿で、サラに話しかけてきた声は、『個室を借りろ』と言うので、神殿で個室をお願いする。前にフェルール関係で経験しているため場所は分かる。


個室に入り扉を閉めると

『お前、面白いよな。色んな魔法をどんどん習得するし、独自に理論を考える。指導力もなかなかだ』

「いきなり誰よ、あなた」

『俺?俺はミネルバ様の眷属の天使だよ』

「その天使様が何?」

『契約してやろうと思ってな。お前は知識・魔法の展開に貢献しているし、敬虔な信徒のフェルールを育成したこと等を認められてな』

「でも、私は悪魔とも契約しているわよ」

『そう、そこなんだよな。悪用はしていないみたいだけど、嫌がる天使も多くて。俺は面白いし良いと思って、上の許可を貰って来たんだ』

「神霊魔法にも興味があったからありがたいけど」

『そう割り切れるお前が面白いんだよな。俺の真名はマルカルロ。これで契約しな』

と、魔導書が現れる。


中には、既に経験のある≪契約≫「contractus(コントラクトス)」や≪治癒≫「sanatio(サナーティオ)」の魔術語と魔法陣が並んでいる。

早速、マルカルロの真名を意識して≪契約≫とすると、

『成功だな。思念会話、念話で話してみろ』

『こうかな』

『そうだ、では≪治癒≫からやってみろ』

サラはもともと魔術での≪治癒≫は熟練している上に、フェルールの神霊魔法≪治癒≫も見ているため、自身の左手につけた小さな傷を神霊魔法≪治癒≫であっさりと治す。

『よし、これからも魔法の習得、がんばれよ』

という声の後は、神殿でお礼のお賽銭をして、カーヤの実家へ武具の手入れを頼みに行った後は、薬草などの消耗品を仕入れて宿に戻る。


神殿を離れたところで、魔剣ストラデルが

『俺を発動体にして神霊魔法を使うか?』

とすねた念話をして来たので、これから神霊魔法は指輪で発動することを考えた。

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