第359話 自主休学

火精霊が居るかもしれない火山に向かう準備が整ってきたサラは、皆と相談する。


「あの火山の祠、一度見たときには何も棲(す)んでいなかったから、期待しすぎないようにね」

と、水精霊シルビーから注意もあるが、

「俺はしばらく顔を見せていない両親に会いに行く機会だし、遠征はバトルホースのバン達の良い訓練になると思う」

「私も両親に会えるなら行こうかな」

とハリー、リリーは行く方向である。対してカーヤは

「興味はあるけど、鍛冶の訓練を続けたいのと、店もあるから留守番するね」

と留守番希望であり、

「留守番して訓練することも考えますが、王都を出たことがないので知見を広げるのには良いかと思います」

というミーナに

「そうね、それにシルビーの祠にも行きましょう」

「それは良いね。ぜひおいで」

サラとシルビーも賛同する。



サラとリリーは休学する旨を学校に伝え、フェルール達にもそのものの理由というよりは、リリー達が両親に会う帰省、サラが師匠に会いに行く等を理由にして2月以上は留守にすることを伝える。


カーヤだけ留守番することになるので、ハリーとミーナは鉄鉱石を大量に採掘して、サラはその鉄鉱石に対して魔法での精製をしておく。

魔法回復薬やスクロールなども大量に作り置きをしておきつつ、日ごろ納品しているミケラルド商会などにはしばらく不在にする旨を伝えながら多めに納品しておく。


冒険者ギルドへの精霊の棲家(すみか)調査結果が出てくれば、留守番のカーヤに報告を頼むことにし、店舗兼住宅の薬草畑はしばらく面倒をみられないので、サラの時間停止の魔法収納にしまうことにした。


こういう時のために、店員を1人追加で雇用すると良いかなと少しサラは考えるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る