第232話 氾濫疑惑
以前に何度かゲレの街との往復をする中で、ゲレの街の最寄りの野営のときに魔物襲撃があった記憶があるが、それまでは安全な行程であった。
ただ、この護衛ではその手前の野営からオーク5匹が襲って来た。もちろんサラたち4人に直ぐに殲滅はされたが、その生息域の拡大懸念には不安がある。
翌朝からの昼間でもオーク数体に3度襲われただけでなく、次の夜の野営でも襲って来た。
宿地でもあるゲレの街で、オーク素材の売却がてら情報収集しに冒険者ギルドに商隊と共に訪れるが、ギルド内は騒然としている。
以前にも、オーク村ができたことでの複数パーティーでの討伐のために連合依頼があったが、今回はオークとの遭遇率からもそのレベルでは無いと職員に報告すると、同様の報告が複数上がって来ていて、対策を検討しているところだとのことであった。
魔の森の魔物の氾濫(スタンピード)の疑惑もあると叫ぶ冒険者もいる。
ゲレの街の代官からも危険性を踏まえて、商隊などの出発を控えるように通達が出ているようである。
今、ゲレの街では魔物の森の魔物は討伐報酬の額を上げたり、上位冒険者に偵察の依頼をしたりしているとのことで、オークの討伐報酬を多めに貰いつつ、偵察依頼の相談をされた。
商隊長に相談すると、どうせ足止めされているし、その期間短縮になりえるならば、ぜひにと逆にお願いされた。
カーヤを除く3人は半年ほどお世話になった街であるし、偵察依頼を受領することにした。
闇雲では時間もかかるので情報収集すると、以前に聞いたことがあるCランク以上の魔物しか居ないダンジョンの方が怪しいという話もあり、その噂に賭けてみることにした。そこはゲレの街から何日もかかるところであり、食料だけは多めに仕入れておく。
そして緊急性も高そうなので宿に泊まることもなく、そのまま4人は偵察に出発した。隠密偵察が特別得意なわけではないので、遭遇した魔物は倒していく威力偵察のつもりである。
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