第985話 不死魔物城
地上部である、砦がいくつか分の大きさの遺跡の中では、いくつかの部屋に少量のスケルトンが居た程度であった。
一通り探索した後、発見時には後回しにしたかなり地下へ続きそうな通路に集結する。
「いよいよ本番かな」
「そうね、ハーランクとかいう親玉も居ると楽なんだけどね」
長い通路を抜けた先は古代の街並みのようであった。月夜程度の明るさでありアンデッドも普通に徘徊できるのであろう。
サラ達はワチエダンジョンでも街の遺跡ダンジョンを経験しており、それを思い出す。主に王都ダンジョンしか経験していないメンバはその広大さに驚いている。王都ダンジョンは時間制限のあるダンジョンであり広大さを経験することができないためである。
「なぁ、ワチエダンジョンの攻略、途中までだったよな。続きもしたいし、メンバの経験のためにまた行きたいな」
「そうね。カーヤの里帰りも兼ねて、が良いかもね」
と呑気なことを話しているハリーとサラ。確かに他に一緒にワチエを攻略していた者はここに居ないので仕方ない。
「で、親玉はあの城ということかな」
「普通ならそうなんでしょうね」
「よし、皆、途中で出てくるアンデッドは適当に倒して、あの城を目指すぞ!」
≪飛翔≫で空を飛べる者も多くなったが、当然に100人を超えるメンバ全てではないので、上空から行き止まりになっていない通路を確認する程度にして、全員固まって城に到着するように移動する。街の中で遭遇するスケルトンやゾンビ程度ではない魔物が城に居ると想定されるからである。
城に到着した時には、屋外では夕方の時間のはずであるが、この古代街の遺跡においてはずっと月夜程度の明るさのままで変化が無い。
「まぁ今から夜になってアンデッドがさらに活性化する、とも思えないけれどこちらは疲れを知る人間だからね」
城の手前の大きい広場で、交代要員を立てながら野営することに決定した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます