第417話 逆兵糧攻め2

その他にも暇な間には魔法の訓練などを実施する。サラは≪飛翔≫の訓練をし、リリーはハリーに王級の武技の指導を受け、ミーナがアルベールとリリアナに≪氷槍≫と≪火槍≫の指導をする。


そして2度目の10台の荷馬車も強奪して、訓練しながら待機していると、流石に2回連続で兵糧が届かないと帝国軍も異変に気付いたのか、西の敵の本陣側から30人規模の騎兵が駆けて来た。


サラは慌てて水精霊シルビー、火精霊ヨルバ、天使マルカルロ、悪魔ストラデルの4体を召喚する。天使と悪魔の姿を消した状態での召喚である。

街道に≪夜霧≫を発動し、先頭が歩みを緩めて後続が詰まって来たところで、シルビーには先頭の方へ≪霧氷≫、ヨルバには最後尾の方へ≪爆炎≫を発動させる。

それでも残って混乱している騎兵に対して、マルカルロ、ストラデルと一緒に皆で上級、中級を中心とした攻撃魔法の嵐とすることで、殲滅した。

遺体はすべて魔法の袋にしまい、生き残っていた馬は砦に連れて行く。


この次に西の本陣から来る部隊の規模はさらに大きくなる、下手をすると魔法使いも来ると思われたので、その場所での襲撃はやめて、東に東に移動することにする。

荷馬車の移動速度3日分の距離ごとに荷馬車が居るはずであり、こちらからそれを迎えに行きながら強奪するのであれば、西の本陣からくる部隊に追いつかれないはずである。

東に行くと街道も森林内ではなく平原内になり見通しが良くなり、森林内ではなく街道を進むが、サラたちは軍装備をしているわけではないので単なる冒険者パーティーの素振りをする。

それから数日かけてさらに2回、6日分までの兵糧を強奪し、下手に捕虜は作れない状況であったので、殲滅の上で死体も魔法の袋にしまうことにした。悪魔ストラデルは魂をたくさん回収できて喜んでいた。


ここまで来ると、街の方も心配になるので西に向けて全速力で帰ることにする。ロック鳥ガンが先方を偵察して、帝国軍の本陣からの調査部隊が来ないかを警戒しながらである。

4回12日分の兵糧が届かず、調査に向かった30騎が戻らないのであるから、帝国軍も焦っていると想定される。

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