第210話 従魔
25階に降りて光る床から出口に戻った4人は、買い取り場所で素材や回収した武具を販売する。想像通り武具は通常品でそれほどの値段にはならなかった。
あわせて卵の確認を依頼するが、ここでは分からないと、従魔屋を案内された。
魔物を使役する能力がある魔物使いテイマーが、一般人や冒険者に従魔を売るのが従魔屋である。攻撃力が弱い可愛い魔物を愛玩ペットにする貴族や豪商も居るし、攻撃力の補助にしたり騎乗したりするために冒険者が欲しがることもある。
もちろん契約魔法でテイマーから新たな買主に主人を変更することで、反乱を起こさせなくする。また、従魔を街中などで連れ歩くときには従魔の証を基本的には首に見えるようにぶら下げる必要がある。
この契約魔法や従魔の証を扱えるのも従魔屋である。
さっそく卵を従魔屋に持参して鑑定して貰うと、やはりロック鳥の卵とのことであった。それなりの金額で買い取ると言われたが、馬など動物と仲良くなれるハリーが育てたいというので、育て方を教えて貰うことにした。
従魔は卵の間は魔力を与えるだけだが、孵化した後は魔物それぞれで魔力だけでなく草や肉を食べたりする。基本的には孵化の際に最初に顔を見せて刷り込み(インプリンティング)して、愛情をもって接すると従うようになるが、命の危険があるような命令やいじめを繰り返すと反乱されるとのことである。
従魔屋で販売している魔物は孵化した物もあれば、戦闘で弱らせたり、餌などで懐かせたりして従魔契約を結んだものもあるとのこと。
希少な魔物、ランクの高い魔物、特にその卵は高値で取引されるので、従魔屋に魔物を売ることを生業にしている魔物使いもいるらしい。
実際に従魔屋の店頭には様々な魔物が並べられており、毛皮の触り心地が良さそうな獣が人気のようであった。
ロック鳥の卵は魔力を与え続けると後5日~10日ほどで孵化しそうとのことであるが、生物であり魔法の袋には入らないため、卵を抱えることができる抱っこ紐を売って貰う。
使用後魔石に魔力を込める訓練をしてきたハリーは、卵に魔力を込めることに苦労は無いが、魔物から肉が手に入らない階層の場合、餌をどうしようか悩むのであった。
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